地べた系という生き方(「サンデー毎日」より)
撮影/須藤真理子
とろん
モリヒロミ
リアルジャム
山本真理子
碧ゆらり-1
碧ゆらり-2
路上アーティストの卵たち
ストリート・アーティスト群像
アーティスト・とろん。河川敷に半裸で立ち、一見してただ者でない雰囲気が漂う。
「ボクはテレビも新聞も見ないから、ほとんどの情報がわからない。ジョン・レノンは知っていたけど、やっぱり人は人だね。ボクが興味がある人っていうのはほとんどいなくって、何とか自分の命をまっとうさせたいばかりです・・」
彼は以前、親しい友人にそんな手紙をしたためた。他人のことより自分の種、生命力。ひたすらに“とろん花”を成就させることをこいねがう。
そんな自分たちの“手触り”だけをたよりに、旺盛な表現活動をするアーティストが増殖している。
寡黙ながら強固な自己主張をもつ人間にとって、世間の常識などなきに等しい、塵芥まがいのものである。
人々がめまぐるしく行き交う都会の歩道の片隅で、あるいはカップルが散歩を楽しむ公園で、歩行者天国で、河原で、さびれたライブハウスで、お祭り会場で・・彼らは虎視眈々と、自己表現のチャンスをねらっている。
機会に恵まれたならば、彼ら“ストリート・アーティスト”たちの作品と生き様に触れてみよう。きっと人生観が変わるはずだ。(文章/小林活夫)
戻る