旬の「カキフライ」はこの季節ならではのもの

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冬本番になって、牡蠣が恋しくなる。今宵は「カキフライ」を口にして、やはり旬の時期ならではの美味に酔い痴れていた。

おいらはあまり揚げ物が好物ではなく、特にフライものはほとんど望んで口にすることはない。だがこの季節のカキフライは別格なのである。

この冬の時期の牡蠣は「マガキ」という種類が流通している。粒は大降りであり、磯の香りの風味も満点。衣に包まれた瑞々しい牡蠣の身が目に触れて、箸を付ける瞬間はとてもドキドキとときめかせてくれる。そして口に含んだときの牡蠣の味わいは鮮烈であり、期待を裏切ることもない。

旬のカキフライはこの時期ならではのものなのである。

フライパンで「和風パエリア」をつくったのだ

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地元のスーパーでは海鮮食材の特売的安売りをしていた。海老、蟹、ムール貝、鱈の身、其れらを観て早速買い込んだおいらは、自宅のフライパンで和風のパエリア(paella)をつくったのだ。コンソメスープの代わりに和風出汁スープを使ったことが味のポイントだが、予想を違わない出来栄えであった。

御存知のとおりパエリアとはスペインを代表する料理であり、多種類の魚介類とお米を用いてつくられる。魚介類とお米の取り合わせの妙味はパエリアを形成する最大の要素であり、味付けが和風の出汁であったとしても美味なることこのうえないのだ。

そもそも「パエリア(paella)」とはフライパンを意味しているとされる。フライパンで簡単に出来る料理なのであり、我が家のフライパンを使って出来たパエリアも、パエリアの条件を満たしていると云えるだろう。良い海鮮魚介類にはパエリアがとても良く似合うのである。

数十年ぶりで味わい深き「弁慶」の串煮込みを食らう

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東京下町の「三ノ輪」駅で下車して数分の居酒屋「弁慶」に立ち寄った。かれこれ数十年ぶりの探報であり、様々な刺激的な思いに囚われていた。

以前に訪れたときには「串煮込み」がほぼメニューの大勢をしめていたが、今ではそうではなかった。マグロその他の海鮮メニューが豊富であり、冬季のおでん鍋が呑兵衛たちの胃袋を満たしていたのである。

そして、当店の主人も様変わり、代替わりしており、若き金髪の主人が店を仕切っているのは刺激的な光景ではあった。

当居酒屋の主的メニューの「串煮込み」は、「なんこつ」「はちのす」「しろ」「ふわ」の四種類である。そう深過ぎることなく煮込まれたモツはモチモチの食感が豊富であり、モツ焼きとは違う、モツの味わいを堪能することが可能である。

■弁慶
東京都荒川区南千住1丁目15-16
03-3806-1096

虚実ない交ぜのハチャメチャ的エンターティメントの「清須会議」を鑑賞した

三谷幸喜氏の監督最新作として喧伝されている「清須会議」を鑑賞したのだ。

http://www.kiyosukaigi.com/index.html

当映画の主役と云えるのは羽柴秀吉役の大泉洋だと考えるが、然しながらとても彼には存在感があるとは思えずにいていたのであり、果たして誰が主役なのかと視聴している間は思案していたのではある。実際、主役級の役者は示されているわけではなくて、大泉洋は主役どころか準主役的役割としても認識されているかどうか。はちゃめちゃ的なドラマはと云えば、虚実ない交ぜのハチャメチャエンターティメント的映画としてあった。

異才の作家、吉村昭さんの「味を追う旅」を読む

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数々の歴史小説や「記録小説」と称されるノンフィクション作品で知られる吉村昭氏は、全国津々浦々への取材で駆け巡っていた際に、地域の様々な料理やら酒を求めて堪能したらしい。旅と料理と酒をテーマに随筆を著してきたものが、「味を訪ねて」に纏められている。このたび、同書が文庫版「味を追う旅」として刊行されたことを知り、先日購入し、ちょびちょびと読み継ぎながら、本日読了した。

一読して、肩に力が入らない平易な記述で好感を持った。所謂「食通」等と呼び称される類の人間ではなく、毎日の日常の食生活の中における美味の追求というスタンスだ。だから、美味なものに金に糸目はつけないと云った人種とは対極にあり、日常的にありつける程度の料理や酒に対象を限っている。作家のスタンスとしてはなかなか見かけない、天晴れなものではないかと合点した。

吉村氏が旅したのは、沖縄、九州長崎、四国宇和島、その他東北、北海道、等々全国津々浦々に渡っている。おいらの出身地である群馬県前橋で食べた水沢うどんの旨さについても記されており、細かな取材力には敬意を払いたいと思った。さらには東京下町の伝統的食材や料理に対する考察には、現在の下町食文化にもつながる伝統を感じ取ってていたのだ。即ち食文化とは料理の美味のみについてではなく、提供する店舗や料理人や仲買人やらの多種類の人間の営み全てについてが対象の文化なのだということを、あらためて考えさせられる一冊であった。

村上春樹さんの私小説的な最新作「イエスタディ」を読んだ

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月刊「文藝春秋」誌に掲載されている村上春樹さんの最新作品「イエスタディ」を読んだ。ビートルズの超有名な「イエスタディ」に絡めた物語が、主人公の男性こと「僕」と、彼の友人の木樽とその彼女こと栗谷えりかとの3人によって展開されていく。早稲田大学2年生の「僕」と2浪している浪人生の木樽と上智女子大生の栗谷。主人公の「僕」を春樹さん自身だと見立てれば、まるで私小説的なプロットが出来上がっている。いよいよ春樹先生も私小説的なジャンルで、これまで残せなかった作家的な足跡を刻もうとしているのか? などと云う想像も逞しくさせてしまうのだ。もちろんのこと村上春樹さんが此の小説で私小説的なプライバシーに基づいた物語を紡いでいるのかどうかは定かではない。

物語の冒頭で、「僕」の友人こと木樽がつけた「イエスタディ」の歌詞が開陳されている。共にビートルズ世代として思春期を過ごしていたことを示すのだが、其れ以上に深い三者の世代感を浮き彫りにさせている。事実的なことは判然としないのであり春樹さんの創作かとも思うが、とても力作であるのでここに引用してみる。

ーーー(引用開始)ーーー
昨日は
あしたのおとといで
おとといのあしたや
それはまあ
しゃあないよなあ

昨日は
あさってのさきおとといで
さきおとといのあさってや
それはまあ
しょあないよなあ

あの子はどこかに
消えてしもた
さきおとといのあさってには
ちゃんとおったのにな

昨日は
しあさっての四日前で
四日前のしあさってや
それはまあ
しょあないよなあ
ーーー(引用終了)ーーー

まるでパロディのような歌詞ではある。だが、全く真面目な意味合いがない訳ではない。女と別れて暮らす孤独な男たちの紡ぎ出す歌にも似ていて、孤独な男たちの本音の部分の心情を紡いでいるかのようなのである。ちなみに表題には「女のいない男たち2」とある。独身男性の生態をテーマにしているかのようだ。あらためて春樹さんの思春期の生き様が浮き上がって来る。それこそまるで私小説的なプロットの噴出である。まるで私小説的なプロットの新作を何故に春樹さんは著したのだろうか? 疑問は解けることはないが、一つの仮説がある。それは、過去における浮き世のごときの主人公たちの生態を消すということである。もててもてて仕様がないという一時期の春樹作品の主人公のにおいを消していきたいと図ったのではないのかという仮説である。ただし仮説はあくまでも仮説なので、其れ以上の追求は控えておくことにする。

八王子ラーメンの名店「吾衛門」の逸品「中華そば 玉ネギ多め」を味わう

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八王子の地元民に愛される八王子ラーメンの名店の一つが「吾衛門」だ。西八王子駅を降りてすぐの甲州街道沿いに店を構えて、昼時には行列ができる人気店である。此の店に足を運んだのだった。

■吾衛門 (ごえもん)
東京都八王子市千人町3-3-3

「八王子ラーメン」の基本と云えば、醤油味ベースのスープに細目の麺とスープの表面に浮いた油とトッピングに加えられる玉ネギのミジン切りが特徴である。これらのハーモニーが逸品の味わいを形成している。特に玉ネギの担う要素が味の決め手となる。おいらは迷わずに「中華そば 玉ネギ多め」と注文していた。そして数分ののち、「熱いので気をつけてください」と云われてカウンターで受け取ったラーメンの器は熱々に火照っていた。熱い油と玉ネギの風味が器の表面を覆っていたからである。

繰り返しになるが、おいらは「中華そば 玉ネギ多め」と注文していた。提供されて出てきたその中華そばは玉ネギが麺を隠すくらいに一面を覆っていて、玉ネギラーメンと称しても良いくらいであるが、ここは「八王子ラーメン」の聖地なのだからそんなことは云えない。八王子ラーメンの伝統を守っているという姿形が、八王子界隈地元民の支持を受けているのだから、余計なことは申すまじなのかも知れないのである。

久しぶりに味わった感想は、そのスープの醤油の味が濃いのだが、さっぱりしている。トッピングで追加した玉ねぎのみじん切りが濃いスープを中和していたのかも知れない。実際には、半数以上のお客が「玉ネギ多め」として注文しているのである。八王子ラーメンの人気を拡げる店舗は様々だが、この「吾衛門」がその中核を担っているのかも知れない。また何度も訪れたいラーメン店である。

久しぶりに我が家で「ブリ大根」を調理したのだ

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冬の季節には「ブリ大根」が恋しくなるのである。旬の魚のブリと冬の大根とのベストマッチが冬季の定番メニューとして定着している。新鮮な日本海のブリと大根が在れば、そう難しい調理をすることなく旬の定番メニューが出来上がるのである。今宵はそんな新鮮な日本海ブリの頭と切り身と大根がゲット出来たので、久しぶりに我が家でも「ブリ大根」を調理することとなっていた。

ところで「ブリ大根」の基本とは、大きくカットした大根にブリの旨味を吸わせて味わうということになる。大根は大きくカットせねばならないのであり、薄切りなどにされた大根では此の味わいは体験出来ないのである。そしてそれなりの調理時間を必要とされる。大根の煮時間も20分は下ることがなく、決して簡単レシピではあり得ない。

そんなこんなの条件を満たしつつ「ブリ大根」を調理。新鮮なブリの切り身を用意した以外は、取りたてての調理法を使った訳ではなかったのだが、日本料理の中でも定番的なメニューが完成。程よいブリのあまさがおいらの喉を唸らせるに充分なる出来前ではあった。冬季の酒のつまみ的料理として、これ以上の奥深い味は無いものだと実感させるに充分である。

映画「SPEC〜結 爻ノ篇」を視聴した

http://www.spec-movie.jp/index.html

昨日はと云えば思いがけない自由時間に見舞われていたので、映画館へと足を運んでいた。あまり前もっての観たい映画はなかったが、この日のおいらは映画館会場に着くなり「SPEC~結 爻ノ篇」を観ようと決めていた。ポスターだったか、主演女優の戸田恵梨香嬢の凛とした姿に心動かされていたのが視聴の決め手だ。これまでも何度かこの「SPEC」シリーズには接してきていた。一言で述べれば、判るようで判らないというストーリー。だが此れが終章だということが決め手となり、映画館の視聴室へと歩を進めたのだった。

主役の戸田恵梨香嬢は、その美貌を発揮していたと云うべきであろうが、ハチャメチャ的ストーリーの展開の中では、女優としての良さを受け取ることが出来なくて残念であった。同映画のシリーズ全般を観ていないおいらがあれこれ指摘するのも気が引けるが、戸田恵梨香嬢にはもっと美人女優としての活躍を期待したのに残念な思いを禁じ得ない。これは物語のプロット自体の問題であるかも知れないので、評価が微妙にならざるを得ないのだ。終章としては、此れ以外の結末は望むべきではなかったのかも知れない。然しながら主役戸田恵梨香嬢と助演役者加瀬亮との最期の別れは観たくはなかった。それがシリーズの結末としては悲し過ぎた。

清澄白河の居酒屋「だるま」にて東京風「アンコウ鍋」を喰らう

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東京下町の深川地域を散策した。地下鉄「清澄白河」駅を下車すると、「深川資料館通り」と呼ばれる小道に遭遇する。其のあたり一帯は深川資料館通り商店街というのだそうであり、深川資料館通り商店街協同組合によれば、昭和36年に法人化された、東西に延びる約800メートルの長さにおおよそ100店ほどの商店が建ち並ぶ近隣型の商店街だということである。資料館を巡る通りの中には個性的な古書店が数軒ほど軒を並べており、深川散策における旅人の景色を彩っている。おいらも何度か訪れているという、ご存知「深川丼」の専門店も軒を並べている。アサリの佃煮は此の地域ならではの特筆されるグルメ食材であり、おいらもお土産にと買い求めていた。

そんな「深川資料館通り」のなかば辺りにあるのが、地元の呑兵衛に愛される「だるま」という居酒屋である。居酒屋でありながら食物が充実しているので、腹が減って同店を訪れる地元民も多いという。「コの字」にレイアウトされたカウンターが、名店居酒屋としての条件をクリアしている。席に着くなり期待を膨らませてくれる。

メニューにはマグロなどの海鮮刺身類も豊富であるが、おいらが注文したのは「アンコウ鍋」である。冬季限定のメニューの鍋料理は数種類あり、そんな中で此の日にとても食指が動いたのがこのアンコウの鍋だった。北茨城地方で食べた本場の味噌味のアンコウ鍋とは違い、グツグツと沸騰する薄口醤油味の出汁で煮込まれたアンコウの身は、冷凍ものではあったが、あん肝も含まれていて、色々な部位を愉しませてくれていた。ポカポカするくらいに温まれたのであり、東京で食するアンコウ鍋も悪くはなかった。

■だるま
東京都江東区三好2-17-9

北海道富良野風「イカ塩辛のせじゃがバター」を味わった

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北海道富良野地方でよく食されているという「イカ塩辛のせジャカバター」を味わった。ほくほくのじゃがいもにバターと塩辛で味付けされた其れは、ほっこりとした大地の味覚に奥深さを付加している。

「じゃがバター」は全国共通のメニューだが、これにイカの塩辛をのせたというのが味噌ことポイントであり、いかにも味付けの味噌としての役割を、イカの塩辛が担っているのだ。最初にこのメニューを目にした頃は、塩気を加えるための塩辛だと早合点していたが、何度か口にしていると、其ればかりではなく、もっと北海道の郷土に根付いた歴史的味覚とも呼ぶべき要素の存在を感じ取っていたのである。イカとそのワタとが織り成す稀有な味わいが、じゃがバターの味わいに奥行きを与えていたとでも云ったらよいのだろうか?

「iPod shuffle」入手で、音楽ソフト「iTunes」の活用が広がった

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ひょんなきっかけから「iPod shuffle」を入手した。Apple社が誇るiPodシリーズの中でも最も小型軽量。重量が12.5gというから、胸ポケットに入れても在ることを失念させるくらいの超軽量である。現在販売されているのが「第5世代」と呼ばれるタイプで、2ギガバイトのタイプで標準小売価格が4800円と、意外に安価でもあるのがひとつの購入のきっかけでもあった。

「iPod shuffle」がApple社の製品であることを示すように、利用するにはMacあるいはWindows製パソコンと、「iTunes」というソフトウエアが必須とされている。おいらはこれまで「iPhone」をWindowsパソコンのiTunesとのコンビで利用しているので、この際は、MacパソコンのiTunesで管理し活用すべきと考えた。おいらがサブ機として活用しているMacはOS6だが、マイナーバージョンが適用していないため、「10.6.8」へとバージョンアップを敢行した。iTunesも同様に「10.6.3」へとバージョンアップ。ちなみに最新のバージョンではないが、充分に活用可能だ。Macintosh製音楽管理ソフトの「iTunes」は、「iPod shuffle」に限定して管理することにより、今まで以上の活用の幅が広がったと云えるのだ。

今時の珍しい秋魚「カマス焼き」を食する

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カマスとは秋の魚の一種である。秋刀魚には知名度では及ばないが、先鋭なるキック力、脚力を活かして泳ぎは時速150km程にも達するという。この点においてはカツオやトビウオにも適わないという瞠目すべき能力である。俊敏な泳ぎや秀逸なルックスでは、けだし「秋一番魚」の称号も相応しいくらいだ。海中を生育の縄張りとする生き物の中では特筆した能力を示している。他に無い特殊な能力を有する生き物ではあるが、良いことばかりとは限らずに却って世の不条理に直面するものである。例えば人間社会の中では「カマス」的なタイプは、おそらく浮いた存在として生きていくことになるのであろう。そんなカマス的存在を連想するに、カマスでなくて良かったなどという勝手な思いに囚われてしまうのである。

ところで塩焼きにして出された「カマス焼き」に箸をつけて口にしてみると、これまた珍しい味わいなり。細身の身体は骨も太くて食べづらいが、骨の間に箸を入れて身をすくえば、ひとつひとつが味わい深いものだ。魚類の脂が乗っていることはもとより、繊細な白身の旨ささえ感じ取れる。干したカマスが人気だというが、生カマスを塩焼きにしたものの方がカマス本来の味に近づくことができる。カマスは薄塩の塩焼きが一番である。

関東風の正しき「湯豆腐」で温まった

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冬の定番鍋料理「湯豆腐」を、今季初めて食した。昼間から寒さが身にしみて、いつになく体長不良を自覚していたが、ほかほかと温まるにはもってこいのメニューである。

関東風湯豆腐の正しいレシピを踏襲していて、先ずは昆布で出汁をとり、4~5cmにカットした木綿豆腐を並べて、鱈の身とネギと春菊を合わせている。小さい切り身ながら鱈の身を加えることで、豆腐鍋にも奥行きが出るのであり、関東風湯豆腐のツボとも云えよう。

湯豆腐の味の決め手は、豆腐と鱈との絶妙の相性にある。それが近畿地方などでは「湯豆腐」は豆腐と昆布出汁のみ等といった、一地域善がりの風習がまかり通っており、そんな一地域善がりが関東の食文化にまで蔓延しているのは由々しき事態だ。

ところによってはタラの入った湯豆腐のことを「タラチリ鍋」などと呼んでいる。タラがどっさりと大量に用いられているのが「湯豆腐」との差異であるとも云えるが、それでも湯豆腐鍋にタラが必須であるというかっこたる基本は動じることがない。湯豆腐を食するにはいささか特別なる拘りが存在する。つまり湯豆腐の大切な脇役であるタラが在ることである。タラは銀ダラだったり真ダラだったりするが、豆腐のみの湯豆腐は味気ないのであり、重要脇役的存在である「タラ」が居てこそ、美味しい「湯豆腐」が成り立つのだ。

今年の流行語大賞はてんやわんやのてんこ盛りか?

例年の年末行事のひとつである「流行語大賞」が発表され、今年は例年になくてんやわんやのてんこ盛りの様相を呈している。何しろ例年になく大勝がてんこ盛りなのだ。予備校講師・林修氏の「今でしょ!」、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』の「じぇじぇじぇ」、TBS系連続ドラマ『半沢直樹』の「倍返し」、東京五輪招致のプレゼンテーションで滝川クリステルが日本の魅力をPRした「お・も・て・な・し」の4つが年間大賞に選ばれたのだという。

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/popular_word/?1385983946

ノミネートされた候補の中には、「アベノミクス」「特定秘密保護法」だという、いかがわしき政治色満載の代物が並んでいたのだったが、今回の大賞4作は、まだましな選考結果だったのかも知れない。

秩父「高砂ホルモン」で逸品のホルモン焼きを喰らう

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帰京のおり秩父へ立ち寄り、新たなご当地グルメとしてのホルモン焼きを食べることにした。訪れたのは「高砂ホルモン」。秩父のホルモン焼きの名店として注目されている。西武鉄道のCMでも取り上げられていることから、観光客の訪問が増えている。CMに登場する店舗か否かは分からないが、とにかく賑わっている、秩父の地元の名店である。

鮮度の良い生のホルモン食材が、先ずはボリューム感満点にボンと出されてくるのが圧巻である。出されるホルモンの部位はと云えば、カシラ、タン、レバー、コブクロ、ホルモン、等々の云わば定番的メニュー也。この日はコブクロが品切れだということで、其れ以外の定番を注文していた。

タンは外皮付きのものはとても硬くて歯の悪いおいらにとっては些か鬼門でもあった。カシラはとても良い部位の新鮮なものではあり、久しぶりに良きカシラを堪能。そしてレバーはまたこれぞ新鮮食材の極みのごとくが提供され、軽く炙っては、レア的レバーに舌鼓を打っていた。

レバーを焼く段になって、店員のおばさんがおいらの近くに寄り添っては、「これは焼き過ぎですよ。もっと軽く炙るくらいで充分ですよ」と、食のアドバイスを聞かせてくれていた。中盤からのレバー焼きは、ほとんど炙るくらいのレアで味わったのだが、思いの外に満足のメニューだったのである。

■高砂ホルモンお花畑駅前
埼玉県秩父市東町6-11
0494-24-7735

下仁田産「下仁田ネギのかき揚げ」は、上州ならではの逸品メニュー

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上州に帰省するたびに食べたくなるのはと云えば、地元下仁田産の下仁田ネギ也。今回はそんな下仁田ネギのかき揚げ天麩羅にありつくことになった。

当ブログで何度も紹介しているが、上州下仁田産の下仁田ネギとは、他の品種のネギに比べて見た目は、幹が太くて身が短い。生食や薬味としてよりも、天麩羅や鍋の具材やらにて特に存在意義を増すという、個性的なネギの品種である。そしてなによりも存在感が他を圧倒していることが、最大の特徴である。

食べた「下仁田ネギのかき揚げ」は、青ネギ、白ネギとそれぞれの部位の甘味や辛味をしっとりと味わせてくれた。ボリュームがあって辛味、甘味の夫々のバリエーションも愉しめる。上州ならではの逸品のメニューのひとつであった。

海老不信の昨今に「アカ海老」の寿司を喰らう

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海老不信の昨今に居るなかで「アカ海老」という寿司だねにありついたのだ。生で食する食感を満たすようであり、ぷりぷりしすぎず、新鮮なる海老の甘味に魅せられていた。

高級中華料理店にて食材偽装事件が相次いでいるおかげで、海老料理に接するたびに、この海老は本物か否か? 偽装食材か否か? 偽装の手口は? 等々の猜疑心が湧き上がって仕方がない。中華料理の業界にとどまらず、大きな海老は「大海老」、小さい海老は「小海老」と表記して逃げているという外食産業の現状が垣間見れる。小さな海老が芝海老なのかバナメイエビなのかの違いは、食の素人こと大勢の一般人にとっては判別しがたい。さらにブラックタイガーと車海老の違いなど、調理皿に乗った料理を見て判別がつくものではない。そんな素人の弱みに付け込んだ食材偽造なのだから、極めてたちが悪いと云わねばならない。

アカ海老とは車エビ科に分類され、赤褐色の体色が特徴である。赤褐色の殻をむいてみると、白く身の締まったエビの身が現れる。これがコリコリしすぎずにエビの甘味をダイレクトに舌に伝わるのである。中華のエビ料理がつまらなくなる。やはり海老は生で食するに限るのである。