上原善広さんの「日本の路地を旅する」を読んだ

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日本全国にある路地には夫々に特別な地場ともいえる特別な趣が存在している。おいらは全国各地を旅するたびに、そんな路地に接してきたが、此の一冊はそんな個人の思い入れを遮断するほどの重みを有している。おいらがスローな旅で味わっている趣とは異次元の現実である。

全国の中にて「路地」と呼ばれる場所の一部には、被差別部落が在るのだということを、同書は示している。其の呼称の元の一つは、亡き小説家、中上健次さんの記述に依るものであるということなのである。被差別部落出身の中上健次さんが「路地」と呼んだ場所を、同じく被差別部落出身の上原善広さんが旅をしながら、ノンフィクションのルポルタージュとして纏めたものが本書の成り立ちである。

ただし、同書の中にては具体的な被差別部落の名称や場所を特定することは無い。おいらの出身地である群馬県内の路地を扱っている章を読んでみても、具体的な地名は確認出来ないし思い浮かべることも無かった。暗く重たく負のエピソードを抱えているとされる全国の路地を、作者はまるで巡礼の旅を行なうようにして歩きながら、レポートしている。

鶏肉の稀少部位「せせり」を焼き鳥で食した

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焼き鳥の部位には様々ある。今日は鶏肉の稀少部位「せせり」を焼き鳥で食したのだった。ねぎ間、手羽先、といったオーソドックスな部位にも負けず劣らずの味わいではある。上の写真の手前にあるものがせせりである。

此の「せせり」とはそもそも鶏の首の剥き身であり、一羽からわずかしか取れない希少な部位だという。ネック、あるいはそろばんなどとも呼ばれる。鶏の首まわりの部所であることからもっとも運動量が多いのであり、それかあらぬか様々にある焼き鳥の具としても此のせせりが最適だという意見も多いのである。これまでなかなかこの部位にはありつけなかったからか、最近は地元焼き鳥店を訪れるたびにしばしば注文してしまうのである。

久々に豚でなく「牛のもつ焼き」を食らったのだ

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時々足を運んでいる居酒屋にて「牛のもつ焼き」を食らった。豚のもつは常日頃から串焼きのメニューにてお馴染みでは在る。ところが牛のもつ焼きというメニューの名前はそれ以上のインパクトを示している。

実際に口にしたモツの味は、少々噛みごたえがきつくていた。噛みごたえというポイントについては平均的なポイントであった。更に云えは、モツならではのひく感じの味わいを体験していた。よく言われる臭みとかではないが何か引くような思いを感じさせている。ある種、賛否両論的な味わいを体験したというべきなのである。

「鮎の塩焼き」を食すれば春の季節を実感するのだ

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春の川魚としてもっとも印象的なのが鮎である。鮎の塩焼きを味わえば春の訪れを実感することこのうえないのであり、鮎は川魚のなかでも特別なのであり、鯉や鮒や虹鱒くらいにポピュラーだった川魚とは一線を画して高嶺の魚だったのである。この季節は日本の河川にて鮎漁の解禁日が目白押しとなる。九州、四国など南国温暖の地区が早いようだが、細かく見てくるとそうとばかりは云えない。河川の周辺住民の意向や地域的文化事情、歴史事情等が絡んでいるようだ。おいらの出身県の群馬県でも鮎漁は盛んであり、これから鮎の本場を迎える。海無し県の川魚として鮎はとても愛されてきた魚なのである。

今回の鮎の塩焼きもまた、絶品の味わいであった。何よりもまずは食材の鮮やかさが引き立っていた。繊細な食味でありながら、大衆的な人気食材でもあり、この季節には積極的に味わい尽くしていきたいものなり。鮎という川魚はシンプルに塩焼きにして食するのが最も味わい深い。これは他の川魚である虹鱒、岩魚、等々の川魚においても云えることなのだ。

上州群馬の郷土食である「おっきりこみ」を食らった

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上州群馬に帰省していたとき、ふと立ち寄った蕎麦屋にて「おっきりこみ」という、おいらもかねてからの関心高き注目のメニューを食らうことが出来たのだった。幅広の麺が特長的であり、此の時期には冬から春に掛けての野菜がふんだんに用いられている。白菜、人参、牛蒡、蒟蒻、等々といった根菜を初めとした野菜類がその生命のピークを迎えるのだが、そんな野菜根菜類のピークを食材にしてメニューに取り入れた郷土食には、先ずは何よりの天晴の思いを強くしていたのだったのである。上州のおっきりこみについてはよく比較されるのが、甲州山梨県が発祥の「ほうとう」である。ほうとうの方が有名なことから、群馬の「おっきりこみ」が「ほうとう」の真似ではないかという根拠の無い疑いさえ掛けられていたものである。だが上州の「おっきりこみ」には甲州の「ほうとう」以上の要素があることは此処で示しておきたいと思うのだ。先ずは日本人にとってもっとも親しき醬油ベースの味付けであるということ。此れが大きい。ほうとうの基本的味は味噌であるが、此の味噌味が中途半端なものであることを体験しているのだ。だが上州の「おっきりこみ」については、基本的な出汁の味についても醬油の味付けに関しても、特段の異議などは提出されてはいない。格別なるライバルとしての「ほうとう」についてはおいらもとても好意的に捉えており、決してほうとうが邪道だと云うつもりも無いのである。だが上州発の「おっきりこみ」の旨さ、素朴さ、他に無いオリジナリティー性、等々についての関心を深めて行きたいという思いを強くしていた。そんな今宵なのではある。

群馬の隠れた名湯「四万温泉」を訪れたのだ

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上州こと群馬県の隠れた名湯「四万温泉」に旅したのだった。JR吾妻線の中之条駅からバスで40分程度を進むと、四万川に沿って趣きある温泉街が並んでいる。さすがに国民保養温泉第一号だけのことはある。由緒正しい温泉街の光景が迎え入れたのである。バスの終点から徒歩で数分を要したところに、積善館本館が在る。現存する日本で最古の湯宿建築なのだといい、群馬県指定重要文化財に指定されているという、これまた由緒正しい温泉旅館なのである。アニメ映画「千と千尋の神隠し」で描かれた宿泊所「油屋」のモデルとなったとされることでも有名である。

赤い橋を渡って辿り着いた積善館の、同館の昭和5年に建てられたという元禄の湯は、広い空間の中に5つの湯舟を並べた独特の形状であり、四万温泉の象徴とも呼ぶべき温泉のビジョンを示している。自然光の輝きが湯船を照らしている様はまるでアニメ世界を具現したような趣きを醸しており、特別な入浴体験を味わうこととなっていたのである。

 

「春キャベツ、玉ねぎのチーズ焼き」は春満開の味だった

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玉ねぎ、キャベツといった日本の日常的な野菜にも旬の季節が存在するのだ。春の季節の野菜は多々あれども、春キャベツ、春玉ねぎたちにはこの季節でしか出逢うことができないのである。いわば春キャベツ、春玉ねぎたちは季節の旬的食材の類いに分類することができるのだ。こんな旬食材を放っておく手は無いのであり、旨そうなメニューを見れば注文したくもなること、人の基本的ならいなり候。

という訳で先日に出逢った「春キャベツ、玉ねぎのチーズ焼き」には、特別な思いを刻んでいたのだ。特別な春の味を受け取ったと云うべきである。基本はグラタンなのだが其のソースは非常に薄くシンプルであり牛乳に少々の欧風出汁を付け加えた程の味付けだったのであり、シンプルであり春味の鮮烈さを感じることができたのだ。

餃子専門店にて「そば餃子」という珍しい餃子に遭遇

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八王子市内の「弘福」という餃子専門店にて、小麦粉の代わりにそば粉を用いて作られた「そば餃子」という珍しいメニューにありついたのだ。餃子の皮がそば粉による以外は、同店餃子特有の大振りの焼き餃子である。そば好きのおいらにとってはとても食指を唆られるメニューではあった。個性薄い小麦粉の皮と異なり、そば特有の感触が舌を刺激する。そして、通常の小麦粉由来の皮と違うのは、焼き目が強く、しかもパサパサになるということだ。もちもち感が失われている。

日本人向けにアレンジされたユニーク餃子の一つなのかもしれないという印象を刻していたのであった。

■弘福
東京都八王子市小門町1-3

海鮮の酢漬けに舌鼓みなのだ

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よく行く居酒屋で今宵は「海鮮の酢漬け」というメニューを頼んでいた。提供されたメニューをながめると、タコ、海老、ホッキ貝、ホタテ貝、ママカリ、クラゲ、キュウリ、若芽。といったおいらが好きな食材ばかりであった。これはしとどに酒が進んでいたことは間違いない。海鮮ものを頼むとあれば、財布や体調やらと相談するのがならわしではあるのだが、今宵の「海鮮の酢漬け」についてはそんな思いも吹き飛んでいたと云うべき邂逅なのではある。

出てきたメニューは酢に長い間漬けられたものとは裏腹に、鮮度が良かった。ただし、若芽とクラゲに酢味が染み込む程度の時間は必要であったとみられるのだった。酢漬けのメニューは鮮度がいのちである。酢の味が染みた海鮮ものもこれはこれで逸品のメニューなのだった。

久しぶりに伝統料理の「筑前煮」をつくったのだ

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久しぶりに我が家でも「筑前煮」をつくったのだった。九州北部の筑前地方が発祥とされていることから此の「筑前煮」という名称が付与されたとされている。旬の食材である筍をベースに、ゴボウ、コンニャク、レンコン、ニンジン、等々の代表的根菜類が一同に介して伝統的料理が成り立っている。冬から春にかけての野菜類を活用した、元日本の某地方発の伝統料理の代表格なのだ。

味付けは鰹味を中心にした出汁で具材を煮込んで、醤油、味醂、砂糖といった日本の古来からの伝統的調味料が活躍している。此の甘辛い味わいは日本料理の基本かなと感じるに充分である。地方の料理が実は古来からの伝統的調理法に依っているということをおもうのだ。

直木賞受賞作品、姫野カオルコさんの「昭和の犬」を読む

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今年の前期直木賞受賞作品である姫野カオルコさんの「昭和の犬」を読んだ。ベテラン作家の一人であることは読み進める以前からおいらも知ってはいた。授賞式にはいつものジャージ姿で現れたことが話題にのぼっていたが、其の彼女の作品自体もそうとうの年季の入った味わいが感じられる、とても個性豊かな筆致が特徴の作品なのである。

作品中に著者の出生や生育する時代の息吹を連想させるかのごときエピソードが、此処彼処に散らばっていて、過ぎ去った時代の風景を思い浮かべながら読み進むのも楽しい一冊なのである。

前橋「西洋亭」のカレーは思いがけない出逢いの味わい

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帰省中の上州前橋では地元店でランチを食べる機会が多いのだが、「西洋亭」という一見ありきたりの店名のカレーは、特別な出会いを感じとっていた。同「西洋亭」は前橋の市街地の一角に店を構えており、郷土食として浸透している「ソースかつ丼」の元祖だか発祥だかの店だという。おいらは先日、此処の「ソースかつ丼」を食しており、地元産豚肉の旨さに加えてソース味がマッチしていることに感動を覚えていたものだ。だがそれ以上のインパクトを与えられたのが同店の「カレーライス」なのだった。カレーのルーに煮込まれた豚肉はじっくりと味が染みていて柔らかく、豚肉の旨い出汁が滲み出ている。西洋亭という名前に反して和風の味付けも処々に感じさせる。ソウルフードの一つにノミネートしたいくらいにその味はしっくりして、おいらの味覚に焼き込まれてしまうようなのである。

もう一つ付け加えておきたいのが「西洋亭」の店内の趣き成。築数十年は経つであろうと思われる其の古き良き昭和の時代の外観以上に、その趣きは凄いものがある。おいら自身が青少年時代を過ごしていた頃のアイテム達が店内の至る所に蔓延していて、さながら昭和時代の時代的移築物のような趣なのだ。上州前橋出身の萩原朔太郎さんの実家が敷島公園内に移築されている以上のインパクトを感じ取るに充分なのであった。

■西洋亭 市 前橋店
群馬県前橋市千代田町2-12-12
027-235-6846

井上真央主演の映画「白ゆき姫殺人事件」を鑑賞

井上真央主演の映画「白ゆき姫殺人事件」を鑑賞した。映画館へはほとんど期待無しに足を運んだ。先日読んだ湊かなえさんの原作本にはがっかりしていたからだ。ただし主演の井上真央さんに関しては、演技はとても観たいという念を強くしていたのだ。美人顔女優の井上真央嬢が「目立たない地味なOL」の役を演じるという。ネット上で視聴した予告編ムービーでの演技は彼女の存在感が際立っており、若手女優の中で特筆すべきものを持っていることは確かである。余談だが、絶世の美女として役割分担している菜々緒という女優には、美人でモデル顔といった以外の取柄を感じさせない。極めて軽薄で影が薄いのだ。キャスティングにはもうひと工夫あっても良いだろうという第一印象なのだ。

作品のテーマである、ネットやマスコミ媒体を通した誹謗中傷、不確実情報や噂の拡散、Twitterを始めとするソーシャルメディアを取巻くユーザー達の不条理性、等々については、脚本が原作の足りない処を補っている印象であり、重層的な展開に技を感じ取ることができた。同名の小説と映画の二作を並べてみれば、映画製作のために湊かなえさんの原作小説が、云わば矮小化されたプロット提供作品として利用されていた。おいらの想像だが、湊さんの小説執筆に関しての充分な時間やその他環境が満たされていなかったのではないか?

庭のヒヤシンスが可憐な白い花弁を咲かせていた

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数年前から毎年、チューリップの他、ヒヤシンス、クロッカスなども含めて球根栽培を行なっている。様々な形の、色の蕾が花を広げていくのがとても愉しみなのである。チューリップの花はまだ固くその花弁を閉ざしたままだが、逸早くヒヤシンスが白い花弁を広げていた。ブルーやピンク色したヒヤシンスを多く見慣れてきたが、白いヒヤシンスはとても春の季節に相応しいと思われる。特に今冬の厳しさを耐えて咲いた花びらなれば尚更の思いを強くしていた。

ところで例年は可憐な花を咲かせるチューリップだが、今年はその勢いが弱いような気がして気になっている。今年は特に東京等関東周辺では珍しい豪雪や豪雨により土壌の混乱が反映されてしまったのかも知れない。

「蕪と浅利の煮物」の料理に春の訪れを実感

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春本番を実感するにあたって、蕪の料理に出喰わしたことは大きかった。蕪と浅利の煮込み料理である。煮込んでとても柔らかな蕪と、春らしい浅利から出た出汁の香りとがマッチしていた。とても逸品的春料理なのであった。

蕪は別名で「すずな」とも言われ、春の七草のひとつなのである。大根とはとても近しいかと思うが、春の季節をもたらす食材としての蕪の存在感はとても大きいと云ってよい。ビタミンCを多く含み、胸焼けの原因となる因子を除去するアミラーゼという酵素もまた豊富なり。胃腸のもたれを解消させる整腸効果も報告されている。

浅利(アサリ)もまたこの季節にとっての旬の食材の代表格である。浅利料理の多くが東京下町に発祥されたということを思うにつれて、春の東京湾界隈の風物詩として語られる背景が気にかかってくる。古き江戸の時代において、旬の浅利を用いた春の料理が席巻していたということを思い浮かべている。深川界隈がもっとも賑わう季節なのではなかろうか。

自家製「水餃子」のもちもち食感に舌堤なのだ

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手作りの水餃子をつくった。中華味が基本のスープに、白菜と葱、そして冷蔵庫に残っていた茄子を煮込んでいった後に、餃子をどんとかき入れてそして5分ほど煮込んで出来上がったのが、おいら流自家製の「水餃子」である。水餃子の食感はもちもちとして他には比べようが無いくらいに絶品至極也。

煮込んだスープの具材は白菜と葱以外には何でも良いのだが、今宵はたまたま茄子が冷蔵庫にあったのでそれを使ったということである。他の食材としては、椎茸、ヒラ茸、シメジ茸、舞茸、等々の茸類が適している。敢えて細かいことを述べるならば舞茸の煮込んだ煮汁は黒くなるのであり、そんな見た目のことに拘るならば、白松茸を選ぶのが宜しいと思われる。ともあれ、なめこ以外の茸類は、当メニューの副材としてとても適しているということである。

桜が舞い散る光景に出逢うのも間近なのだろう

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都心の桜は本日が満開のピークに在るという。地元に近い公園の桜並木界隈を散策した。おいらが住む多摩地区では今は満開とは云えぬが、五分咲き以上の開花であり、ここ数日が見頃となるだろう。先日の雨模様の日の豪雨はさいわい、花散らしの雨にはならず、今週中がまさしく見頃となっている。

もう少し経てば桜吹雪が舞い散る風景にも出会えるだろうと期待させるに充分である。桜が舞い散る光景に出逢うのも間近なのだろう。桜の樹の下には屋台が在ったり、桜のトンネルを見上げる人の視線が控えていたり、鮮緑色の葉と桜ピンク色とのコントラストが在ったりと見応えも充分なのである。

八王子の富士森公園といえば春の桜で有名だが、早咲き桜の種類はやはり、染井吉野ではなかったようである。聴くところによると「小彼岸桜」という名前だとか。う~む、なんとも風情豊かな名を付けられたものである。もうすぐ、彼岸の頃には満開の花を咲かすのだろう。ちゃらちゃらと着飾った華やかさはなく、却って可憐であり瑞々しさが伝わってくるのであります。

小ぶりの「ままかり」の酢漬けこそご飯がすすむ逸品

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先日は九州地方のある地域の名産だと云う「ままかり」にありついていた。銀白色をしたキラキラの姿形が特長であり、体長は小さいながらにとても目につく。キラキラした体色が人の目と食欲を刺激していく。大きなままかりは色々な調理に供せられるが、小さなものほど酢漬けにした生のものがむいている。浅く酢に漬けられたままかりは、まさにご飯を求める、食欲満開となる。

「ままかり」という名の食用魚がいる。主に九州の薩摩地方にて郷土食として食されている。「ままかり」という名の由来は、隣の家からまま(ご飯)を借りた いくらいに食が進む美味い魚だということからきている。全長は大きなもので20cmほど、料理店や郷土居酒屋にてて提供されているのは5cm程度の小振り であることが多い。体は木の葉のように左右に平たい。背中よりも腹が下に出ている。体色は背中側は青緑色、体側から腹側までは銀白色をしている。

「ままかり」というのは小さな青魚を酢漬けにしたものである。ニシン科の魚で「サッパ」と呼ばれる魚が原料とされている。「まま(ごはん)にあやかりたい」ということから命名されたというのが一般的な説だが、定かだとは云えないようだ。確かにご飯が食べたくなったのである。ご飯を注文、オーダーすることは、通常の居酒屋ではご法度の様でもあり、今回は控えていたのであるがしかしながら機会があれば自宅ででも何処でもだが、「ままかりご飯」を味わいたい、食したい。そんな思いを強くしたのでありました。

トントンのまち上州前橋の「トントンうどん」

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豚肉で町おこしをという掛け声で始まった上州前橋の料理がトントン料理である。「トントン汁」はトントン料理を代表するメニューとして地元に浸透しつつ在る。前橋市内の名だたる料理人11人(チーム名:前橋の食を作る料理界の11人)が考案した前橋のオリジナル豚汁。その特徴とは下記の通りとされている。

1 群馬県産の豚肉と豊富な野菜を使い具だくさん。
2 きのこをバターソテーしてから入れるため、味はまろやか。
3 白と赤の合わせ味噌使用のため、コクがありちょっと洋食風。
4 〝豚のつみれ〟や〝ねじっこ〟(すいとんのようなもの)が入った昔懐かしい味。

一般的な豚汁ともけんちん汁とも違い、上州前橋の土着的な風土にマッチした味わいが伝わってくる。ちょいと甘辛な味がしつこくもあるが、却って土着的な特徴を際立たせているのである。ゴボウ、ジャガイモ、大根、コンニャク、等々の根菜類に厚揚げや小麦粉の練物等が加わって、食覚や味覚のバラエティーが広がっている。豚汁という地味目な料理が逸品的B級グルメとしての存在感をアピールしていることを実感させられる。

簡単に述べればトントン汁にうどんを加えたのが「トントンうどん」ということになる。お腹の減った昼食や夕食のメニューとしてもまた、逸品の料理として認定しておきたいものである。

■パーラーレストラン モモヤ
群馬県前橋市千代田町2-12-2

春本番を告げる「明日葉の天ぷら」を味わった

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春の訪れによって流通することが増えるこれから期待が増すのが明日葉。八丈島をはじめとする伊豆諸島が産地とされるが、近頃は温暖な本土の地域でも栽培されていると聞く。「夕べに葉を摘んでも明日には芽が出る」とされるくらいに生命力の高い食材である。

此の度はそんな明日葉の天ぷら料理にありつくことができた。普段はおひたしにしたものを口にしているが、天ぷらもなかなか美味しい。もともと明日葉という食材はクセが強くて、そのため沢山食べる代物でないという先入観を持つているが、天ぷら料理にすれば見事にクセを抑えてくれる。