弱った胃腸が「シラスおろし」を欲していた

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夏に慣れるのを期待しつつも実際は暑さに責められ、体力の消耗も著しいと感じているこのごろである。胃袋の調子が悪くなるのも例年のことだが、なかでも今年は最悪のレベルではないかと考えられる。夜にはホッピーだけ口にして眠りたいくらいの暗鬱なる気分なのである。無理して注文していたのが「シラスおろし」であった。大根おろしの独特な辛味は活動を低下された胃腸を刺激してくれるので、これくらいは弱った胃腸のカンフル食材となってくれる。アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼなどの消化酵素が豊富に含まれているとされ、自然と大根おろしを欲したくなるのもむべなるかなのごとし。

今時の夏野菜「ズッキーニ」は夏季に欠かせない

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夏になって夏野菜を屡々調理するが、ズッキーニという夏野菜はとても重宝している。見た目は胡瓜に似ているが、ウリ科のカボチャ属なのであり、胡瓜とは姻戚関係には無い。夏野菜のならいのごとくに人の熱を下げる効能があるのであり、この季の野菜料理には一般的に利用している。胡瓜とともに今では欠かせない食材ではある。

ズッキーニの身は包丁を入れてカットすると、夏汗をかく様に其の身の水分を排出していく。水分濃度が極めて高く、しかも果肉が締まっておりとてもジューシーである。この時季には欠かせない食材の一つである。

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「もろきゅう」のもろみ味噌は夏の酒肴の定番哉

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居酒屋にて「もろきゅう」を食した。「もろきゅう」というメニューで提供されるのが、きゅうりにもろみ味噌を添えたもの。添えられるのが味噌ではなく、一般的な味噌以上にきゅうりの味覚を高めてくれる。一見したところは味噌の一種にも見えるが、じつはこれが、醤油の醸造過程においてつくられるものだという。麦・大豆・米などとそれらの麹を原料にしてつくられる。味噌よりもあっさりしている分、夏のきゅうりには良く似合うのかもしれない。

そもそも「もろみ」とは何か? Wikipediaでは「もろみ(醪・諸味とも書く)とは、醤油・酒などを作るために醸造した液体の中に入っている、原料が発酵した柔らかい固形物のことである。」と解説されている。つまりは醤油や酒や味噌の原料となるべき原料とは、麦・大豆・米などであり、これらの麹がもろみの原材料となっている。塩分がピリリと効いていて栄養素満点であるが、これにピリ辛の香辛料を効かせたもろ味がキュウリに乗っていたのである。夏季には、ピリ辛もろみが身体をピリリと刺激するようであり、ピリリと刺激が効いたもろきゅうは、これからの猛暑の季節にとっておきなメニューと感じていた次第なのである。

夏野菜を活かして「夏野菜牛筋煮込み」をつくったのだ

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夏には夏の野菜である。夏野菜は夏を乗り切る食材として欠かすことができない。この大前提のテーゼを元にして煮込み料理を作ったのだ。煮込み料理には必須の牛筋をまずは用意して、圧力鍋で煮込んでいく。その間の20分程度を使って、夏野菜のゴーヤ、茄子、セロリ、ズッキーニ、パプリカ、等々の夏の野菜を炒めておく。そして圧力鍋で時間をかけて煮込んだ牛筋に、さらに夏野菜を加えてから10分ほど煮込んでこのメニューの完成である。

そもそもおいらが好きな「煮込み」と云えば、一般的なモツ煮込みよりも「牛スジ煮込み」である。牛スジのゼラチン質や繊維質が豊富であり低カロリー、しかも馥郁とした出汁が味わえるというのであり、どこぞの酒場に足を運んだときには先ずは此の牛スジ煮込み料理を物色している。美味い牛スジ煮込みは其れくらいに求むべき酒のつまみでもある。一般的に「煮込み」という料理には「もつ煮込み」と「筋煮込み」が双璧をなしている。おいらの好みはといえば筋の煮込みの中でもとりわけ「牛筋煮込み」ということとなっている。牛筋とはアキレス腱の部分や腱がついた肉の部分を指しており、にはゼラチン質が豊富に含まれており、脂身は少ない。ホルモンの部位とは異なり、あまり小売 店のショーケースには並ぶことが少ないと云う。専門店での調理法が映える部位なのである。

秋田の「いぶりがっこ」は酒のつまみとしても最適

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いぶりがっことは秋田の名物なり。此れを秋田人にばかりに独占させておくのは不条理である。大根を原料として漬けられた沢庵の様な漬物をあぶって製造されるのだが、沢庵とも他の大根漬けとも異なっていて、正しく秋田の郷土色の筆頭と目されている。

都内の特別な居酒屋にて提供されているいぶりがっこもまた、秋田の味覚を東京人への橋渡しをしているようであり、注文も途絶えることが無いようなのだ。此のメニューを目にしたらとりあえず口にしてみるのが習わしとなっている。おいらのお勧めメニューである。

立川「餃子のニューヨーク」の変わり餃子

立川にある餃子専門店「ニューヨーク」にて一献。此処の餃子は手作りの手打ちメニューであり、これがニューヨークスタイルなのだという。中華料理の代表的メニューがニューヨークスタイルで味わえるという稀有な餃子専門店である。基本的な餃子のレベルが高いので、基本的な餃子以外の所謂「変わり餃子」も安心して注文することができる。今回食したのはそんな変わり餃子の3品。期待を裏切らない出来栄えであった。

■パクチー餃子(水餃子)

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手打ちの良さが生きるモチモチした食感の餃子の皮と餡の旨さを基本にして、タイ料理には欠かせない香菜のパクチーを添えて提供される、水餃子である。清冽なパクチーの香りが、水餃子を一層インパクトの高い個性的な味覚に仕上がっている。

■ニンニクにら餃子(焼き餃子)

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通常の餃子にも用いられるニンニクとにらの具材を多めに餡に入れて提供される。ガツンとした餃子の餡のインパクトが舌に伝わってくる。基本的な焼き餃子でありながら個性的なインパクトを有している。

■冷製トマトとバジルの水餃子

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夏季の限定メニューとして提供されている。茹でた水餃子のスープに、冷やされたトマトとバジルがアレンジされているのが特徴である。まるでイタリアン風の味付けが水餃子を新しいメニューとしてアピールさせているようである。

■餃子のニューヨーク

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東京都立川市曙町2-15-22
http://tabelog.com/tokyo/A1329/A132901/13053556/

「ねばり食材」が夏バテ解消にも効果有り

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猛暑の日々が続いているが、こういう日々こそ食には気を遣わねばならない。近頃は意識して、納豆、オクラ、山芋、メカブ、等々の所謂「ねばり食材」を摂るように心がけている。ねばり食材のネバネバには特有のパワーが有ることが知られている。納豆菌には腸内環境を良好にする要素があり夏季の便秘解消にはとても効果的である。タンパク質豊富であり疲労解消の栄養素ことビタミンB2も豊富に含まれているオクラに含まれるネバネバ成分はペクチン、アラピン、ガラクタンという食物繊維が元になっており、此れまた腸内環境の正常化にとって無くてならないものなのである。

常時食材として置いておくことにより、夏料理との相性ともすこぶる良好となるのだ。例えばご飯にかけてもそのままさっぱりと味わえる。素麺や冷やしうどんの具材としては申し分がない。この季節こそ冷蔵庫にねばり食材は常備すべしと心得ているのである。

八王子の佐藤書房で「20世紀のはじまり◯ピカソとクレーの生きた時代」を購入

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地元の古書店にて「20世紀のはじまり◯ピカソとクレーの生きた時代」を発見して思わずに購入。同美術展のカタログを目にして購入したのは何よりも、表紙絵のクレー作「リズミカルな森のラクダ」に魅入ってしまったことからだった。クレーの此の作品は懐かしい遭遇だった。数年前には同展覧会のニュースに接していきたかったが行けなかったというイベント展の図録を目にして迷うことは無かった。帰宅して改めて眺めていたのだが、初めて目にするクレーの作品があふれており、何回、何十回とページをめくっても飽きることが無い。クレー作品ファンとしてのおいらにとっては、貴重な一冊になること間違いない。

購入した地元の古書店「佐藤書房」はおいらも行きつけの店であり、豊富な古書を廉価で販売している。しかも毎日のように店舗前のワゴンセールが開催されて、毎日そのセール品の内容が変わっているのだ。だから毎日のように通っても決して飽きることなど無いのである。

■佐藤書房
東京都八王子市東町12-16
TEL: 042-645-8411
http://satoushobou.sakura.ne.jp/index.html

夏野菜をアレンジした「夏野菜ハンバーグ」

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先日は夏野菜のスープを作って味をしめたのであり、その延長で今宵もまた夏野菜スープを仕込んでいる。茄子、ピーマン、等々に加えて先日は調達できなかったセロリを加えて、より夏度が高まったと云えよう。茎の部分の瑞々しさと葉の部分の青々しさがとても夏野菜スープにとってはマッチングしており、影の主役級の味覚的存在感が味わえる。

スープを作ってみたところ其等の青野菜の具材を、煮込みハンバーグの具材として利用することが出来ることを発見。直ちに試してみたところ、なかなかの好印象を抱くこととなっていた。

作ったのは煮込み仕立てのハンバーグであった。即ち焼きハンバーグとは少々異なる味付けであり、さっぱりとして青々としたソースがまるで日本料理のような出来栄えだった。夏野菜スープを使った料理はまだまだ活用が可能である。

新装にて営業開始された八王子「小太郎」の串焼き

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八王子駅南口からすぐの「小太郎」にて一献。小太郎とは地元の串焼き店での有名店であり、一番の呼び声も高い。今年に入って店舗が移動しており、より広い場所にて営業が開始されている。

この店でおいらがほぼ必ず注文するのが、「玉ねぎベーコン巻き」である。玉ねぎというありふれた食材をベーコンで巻いて串焼きにして出されるのだが、付け合せの専用ダレが絶妙でこれにはまってしまった。ベーコンの脂が玉ねぎに染みて、ポン酢よりあまくさらりとしたタレと相まって、頬がとろけるような味わいなのだ。

美味い焼き鳥、モツ焼きを味わうならば「塩味」よりも「タレ味」だろう。以前に掲示板上で議論に上ったこともあるが、人気ある店の「タレ」にはそれぞれに個性的な工夫が存在するものである。甘ったるかったり水っぽかったりするタレ焼は論外であり、そんな店の焼き鳥は2度と食べたいとは思わない。換言すれば、美味いタレ焼を出している店は、それが故に常連としてしばしば足を運んでしまうことになる。それくらいに「タレ」とは重要な味の要素、店選びの肝となるものなのだ。

■小太郎
東京都八王子市子安町1丁目2−1

夏野菜スープで夏の猛暑を乗り切るのだ

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夏には夏のスープが欲しくなるのである。本日おいらがつくったのは、夏野菜スープ。冷蔵庫に眠っていた野菜に加え、地元の八百屋で仕入れてきた夏野菜で、夏野菜スープをつくった。用意したのはゴーヤ(にがうり)、ナス、トマト、ズッキーニ、カブ、パプリカ、等々。それらをたっぷり1cm程度のザク切りにして鍋に入れ、軽く炒めた後20分程度じっくり煮込む。味付けは塩、胡椒とコンソメスープとで、すっきり酸味がのどを潤すように、シンプルにまとめるのがポイントだ。ズッキーニ、パプリカ等の西洋野菜はトマトスープにすればとてもまろやかに味わえる。多めにつくって冷蔵庫で保存しておけば、スパゲッティのソースにもなる。簡単でいながらとても重宝する夏の定番メニューである。

主役はやはりゴーヤであった。ゴーヤの表面にある濃緑色のイボイボは夏の汗を象徴するかのように強力なエネルギーを連想させるに充分であり、その独特な苦さとも相俟って、夏には欠かせない食材として定着している。主産地が我が国最南の沖縄であることも、そんな存在感を強靭に後押ししている。

二枚貝逸品の酒のつまみ「ホタテ焼き」を食した

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ホタテ貝の炭焼きを食した。二枚貝であるホタテの上手な焼き方を傍で眺めつつ、その貝柱の独特な食感と風味に舌堤を打っていた。

ホタテ貝は季節にほぼ関係なく出回っているのだが、殻付きの生のホタテを味わう機会はまれにしかない。であるからこそホタテの焼き方や味付けが気になるのではある。

バーベキューの食材としても利用されているが、そんなところでの大味なホタテよりも、炭火で時間をかけて焼き込んだものの方が上手いことは云うまでもない。

一回ひっくり返して味付けをするのが基本的な調理法である。その味付けは醤油と味醂が基本であるが、他のものもあっても邪魔でしかない。そういう料理が「ホタテ焼き」だということなのではある。

「麻婆夏野菜」は暑気払い的メニューとしてもってこいなのだ

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たっぷりの夏野菜を使って「麻婆夏野菜」をつくった。夏希につくるおいらの麻婆料理は年々進化しつつある。調味料や調理法は「麻婆茄子」そのものだが、茄子に加えて用意した具材は、トマト、ピーマン、そしてエシャレットである。トマトとともに今回はエシャレットを具材に用いてみたら、これがとてもうまく調和しており、且つインパクトも充分な出来栄えだったのだ。4種類の代表的夏野菜をそのまま麻婆料理的に調理したら、トマトの酸味やエシャレットの清冽さが効いていて、とてもさっぱりとしており、暑気払いにはもってこいの味わいなのであった。とてもお勧めの一品である。

オリジナルメニュー「麻婆夏野菜」の調理方法は「麻婆茄子」のレシピと基本的に違いは無い。食材としてトマト、茄子、ピーマン、そしてエシャレットを用意する。通常はネギを使用する所だがネギの代わりにエシャレットを用いることがミソとなる。ひき肉を少々加えるのが中華風だが無くてもかまわない。調味料は豆板醤、甜麺醤、とろみの片栗粉が基本、これに味噌を少々加えれば日本人向けのこくが出る。至極簡単であり、トマトの酸味と麻婆の辛味とがよくマッチして食欲を刺激するのである。

久しぶりに新鮮な豚の「モツ刺し(ハツ、レバー)」を口にしたのだ

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上に示した写真は豚のモツの刺身也。部位はハツとレバーである。何時からだったか牛のレバ刺しの提供が法律により禁止され、生のモツを食べる機会が極度に減ってしまった。今ではごく稀に豚モツの刺身に遭遇することがあるので、そんなモツ刺しを探すなどして下町散策にもいやがおうにも興趣が高まるという訳である。

スカイツリーの城下町風情の趣きを漂わせる押上近辺を散策してふと立ち寄った「松竹」という居酒屋は、まさにそんな興趣を満たすには最適なる店だった。古からもつ焼きが評判の同店なのであるが、昨年にかねてより焼場をまかなっていた前の女将が引退したことにより、今の女将の時代になり焼き物は止めたということなのだという。今どき珍しい、もつ焼きが無いモツ専門の居酒屋なのである。

カウンター中心の、十人少し入れば満席になるという小規模の居酒屋店にて、現女将ひとりでは立ちいかなくなったという。そんな事情が関係してなのか、新鮮な豚のモツ刺しには遠くから訪ねても口にするだけの存在感がある。

モツ刺し以外に食べた「レバカツ」「モツ煮込み」は、下町の良き味わいを感じさせて納得の味わいだった。東京下町の居酒屋で、しかも蒸し暑い空間にて口にしたモツの刺身は、下町に来る度に口にしたいと感じさせるに充分だったのである。

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■松竹
東京都墨田区業平2-9-10
日曜・月曜・祝日は休店

夏には良く合う「トマトすき焼き」

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夏に鍋料理を食べる機会はほとんど無いが、今回食べた「トマトすき焼き」は、夏季の鍋料理としてはトマトを上手に利用した特筆すべきものだといえるかもしれない。

何よりも夏野菜のトマトが鍋料理によく似合っている。すき焼きの割り下の甘辛さとトマトの酸味が妙に良好にチューニングされているのである。牛肉がサッパリとして涼やかな味わい。これならば本舗的すき焼きのネギや春菊にも引けをとることが無いくらいである。夏の鍋料理には確かにトマトが似合っているということが良くわかる。

古市憲寿著「僕たちの前途」は後味爽やかなノンフィクションだった

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「起業」「起業家」をテーマにして古市憲寿氏が表したノンフィクションである。一般的に我が国の「起業論」には常時的に、筆著者自身の事業PR的な要素が充満しており、そんな厭らしさ故に、胡散臭い印象を抱くのが定例である。同書「僕たちの前途」には、そんな厭らしいところは無いが、その反面で強いメッセージ性を感じることが無いという、当り障りの無い内容に終始している。もっと云えば、どうでも良いといった類いの「起業論」「経営論」に終始している印象が強くある。

ただしそんな中でも同書の「第一章 僕たちのゼント」には、現状における古市氏を取り巻く経済的な状況を指し示していて興味を誘うのである。20代後半の社会学者が実際的に依拠している経済状況について、著者の古市氏は饒舌に語っている。まるで起業家論をまとっているが実質的には著者自らのこの社会に対する対処法、処世術的なものを多く見て取ってしまっていた。其れらは決して後味が悪いわけではなくて、却って古市氏的著者世代の天晴的なアウトソーシング的なメッセージとして受け取ることができたのである。同書帯における「人生に正解はない。」というフレーズはとても軽々しいのだが、それこそが彼ら世代の日常的な現状把握的キーワードなのである。

「イカ飯」で旅情を味わう

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昨日は丑の日という特別な日でありおいらも特別な思い入れ、思い込みが強くなっていてしまい些か反省的なる日々なのである。夕食のメニューを考えていたところ、イベント売り場でみかけた「イカ飯」なる旅風情に惹かれて購入した。イカの風味がご飯に染み込んでいてしつこくない。これは当たりだと、一寸した喜びを感じていた。

丑の日のうなぎを晩酌にて味わう

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本日は丑の日。すなわち我が国にて鰻を食べるという習慣のある特別な日ではある。昼時にて地元の鰻店を食べログにて検索して、最初に向かった店舗は既に店仕舞いをしており、次に辿り着いた店頭の「並重が2900円という」メニューを目にして暖簾を潜る意欲が失せてしまっていた。昼時には鰻を口にする事無く、何時もの定食屋で昼食を終えていた。そして結局的には何時ものスーパーにて鰻蒲焼きを購入して、今宵の晩酌のつまみとしているわけなのである。

経験的に「うなぎ」が夏の体力消耗に効果ありということを知っているおいらは、無意識裡にうなぎを求めていたのだろう。本日は土用の丑の日だというからではあるのかもしれないが、強烈なうなぎに対する渇望が襲いかかってきたのだったという訳なのだ。鰻の脂身は程良く癖があり、其の脂身がたまらない味覚となっている。ダイエットのことなど本日くらいは忘れて食したくなる。我が国の文化とも繋がっている逸品メニューであることは間違いないのだ。

土用の丑の日にはうなぎを食べるという習慣は、文政時代に平賀源内さんが提唱したという説が一般的だが、ただ体力の落ちる夏場に栄養補強するという意味合いばかりではなさそうなのである。かえって、夏場にはうなぎが売れない業者達の苦肉の策として、土用の丑の日が提唱されたという珍説もあるくらいであり、二百年もの時代をさかのぼって時代考証を行おうとしても無理な話であり、ここはそっと、うなぎと平賀源内さんとの個人的な相性の良さを思い浮かべてみるくらいが宜しいのだろう。

「アジのなめろう」は酒の肴的な逸品メニュー

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アジの刺身はそのままでも美味だが、少々の手を加えて「なめろう」として調理されたものは、ときどき刺身以上のものと感じる。あえてときどきと書いたのは、味付けのバランスが悪くてとても美味しい等と評価できないものがあったからである。そもそも「なめろう」という料理は、アジをはじめとする青魚の身を徹底的に細かく叩いてから、其の身を味噌、葱、生姜、等々の薬味を加えて出されるメニューのことである。粘り気が出るまで叩かれたアジの身が程よく控えめな味付けが加わって、逸品の酒の肴的メニューになるのである。

ところで日本で食される青魚の代表でもあるのが鯵(あじ)である。「あじ」という名の由来は一説によれば「味が良い」からだとされている。たしかに魚の特有なこくが程よくのっている、美味な魚の典型ではある。鯵の干物にしても、また鯵の丸干しにしても、魚の脂が程よく染みていて、美味しさが一段と増すのだ。身近すぎることからあまり気付かなかったが、この鯵の恵みをこれまでどれだけ享受してきたことだろうか。この青臭い風味というのか、あるいは骨臭い食感というのか…、このような魚の個性を認めずに、肉類と比較してコメントするなどとはもってのほかではある。

夏には「トマト焼きビーフン」が思いがけない美味しさだ

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焼きビーフンにトマトを炒めてまるごと入れてみたら、これが思いがけない美味しさだったので紹介しておきます。そもそも焼きビーフンとは、米の粉を原料にした麺料理である。あり合わせの野菜類とともに麺を炒めてつくられるのだが、夏だからという訳で、夏野菜のトマトをカットしてまるごと加えてみたら、これが意外中の意外とでも呼ぶべき感動的な美味だったのである。

これまで家での自家製ラーメンを食することの多かったおいらではあるが、このところ米粉(ビーフン)関連食材を利用していろいろ食することが増えているのだ。味もサッパリとしてグッドである。麺の食感は中華麺よりもちもちとしたところが特徴で、カロリーも低いダイエット食材である。よく使う野菜類(葱、椎茸、モヤシ、小松菜、ホウレン草、等々)を合わせるだけでもメニューの幅は広がっていく。ちなみにインスタントラーメン、即席ラーメンの類いは、あの独特なジャンクフードの香りが気になっていてほとんど食べたことは無い。自宅で食しているラーメンは「生ラーメン」を使ったものだけである。同じインスタント麺、即席麺でありながらも、「米粉(ビーフン)」麺の方はとてもフェイバレットな味わいなのだ。これから日本人の食生活にも「米粉(ビーフン)」が活躍する場が増えていくであろう。おいらも関心を深めつつ、新しい「米粉(ビーフン)」を活用したメニューについても関心を持って見守っていきたいと思うのである。