「カワハギの刺身(キモ付き)」は白身魚の筆頭株なり

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カワハギの刺身を食した。白身の魚で実は身の歯応えが充分である。この「カワハギ」が今時の狙い目の旬の魚なのだ。フグの親戚で身もたいへんに美味。夏によく取れるが、秋からのこの時季こそいわゆるカワハギの第二の旬であり、この時季の身が一年で一番旨いとされている。カワハギの身は想像以上の美味である。肝と身の相性が抜群であったのだ。

カワハギの身は身だけでなく肝臓(キモ)も美味で珍重される。居酒屋のつまみには、刺身にキモが付いて提供されるのであり、この肝のタレに浸して味わうカワハギこそは、カワハギの味覚を味わえるメニューの王道であると云ってよい。

このカワハギ、姿形は三角形あるいは菱形に近くて平たいのが特徴。斑の独特の文様がカワハギらしさの象徴でもある。しかも皮が剥ぎやすく食べやすいのが「カワハギ」という名称の由来なのだと聴いて、なおのことこの珍重すべき刺身の奥深い味わいにはうつとりだったのである。

メバルの丸干し焼きで一献

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メバルの丸干し焼きという珍しいメニューに遭遇。その外見は目が張り出すくらいにギョロッとしており、食べてみたところ、小型魚としては骨が太い。小骨が気になる人には食べにくい魚ではある。白身の魚だが味は大味の類いであり、個性的な味覚を味わうに適した魚のようである。

「昭和出版社」が発行の「夏目漱石作品集」を入手したのだ

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八王子では例年の「古本祭り」が、昨日11日より14日までにかけて開催されているのだが、そんな会場近辺にて面白い全集本を発見し、思わず購入していた。その全集本とは「夏目漱石作品集」と題された全10巻におよぶものである。実はその出版元が「昭和出版社」という、これまで聞きなれなかったところであったことから、思いの外に興味をそそってしまったのであった。

おいらはこれまで夏目漱石全集といった書籍本の類いには多種類接していた。夏目漱石と云えば我が国の近代文学者としてのもっとも尊敬すべき文学者である。だがしかし、今回の「昭和出版社」が発行したものに接するのは初めてのことだった。そうした初対面的名称に対する喫驚とともに、ある種のそのギャップに余計な関心を膨らませていたということなのであった。

今までのところでは、おいらは不明なる「昭和出版社」に関しての追求の手前であり、何の生産的なる事実にこと至ってはいないのであり、これから解明していきたいということを念頭に置きながら、本日のブログのキーボードを置くことにするのである。

なめこ入り水餃子鍋はいけるのだった

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鍋が恋しくなる季節であり、近頃のおいらは何かと餃子に目が向くということもあり、手作りの水餃子鍋をつくったのだ。

基本の中華味スープに甜麺醤、豆板醤を足したところに、白菜と葱、そしてなめこ茸とプレーン餃子を5分ほど煮込んで出来上がったのが、おいら流自家製の「水餃子」である。

水餃子の食感はもちもちとして他には比べようが無いくらいに絶品至極也。なめこのとろみと中華スープの相性もすこぶる宜しい。結論的には水餃子鍋は結構いけるということなのである。

秋の不思議な接吻雲たち

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秋の季節は気まぐれであることから「男心と秋の空」あるいは「女心と秋の空」等とも比喩的に称されている。「男心」の方が先に称された例えであつたが、実際はどっちが真実に近いかは定かではない。

ところで秋の空を見上げてみると、不思議な雲のシルエットを見かけたのだ。男と女の接吻かとも見紛うくらいな意外な景色ではあった。まるで見たことのない抽象絵画の様にも見えていたのであり、暫し見惚れてしまっていた。

秋本番のこの時期こそ「ひじき煮」は常備菜として欠かせない

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台風も経験していよいよ季節は秋本番。こういう時期こそ常備菜として料理しているのが「ひじき煮」てである。干しひじきとして販売されているものを水で戻して煮込むという、シンプルでありながらとても素材の持ち味を活かした料理であり、その海の幸としての独特の香りは他に類が無く、根菜類との相性も抜群である。今回は戻したひじきとともに、大豆、人参、そして戻した干し椎茸とともに調理した。干し椎茸を加えることで乾物料理としての奥深さがより深まっていくようである。

おいらが此れまで生活習慣病も発症せずに生命的にも生息してこれたということは、ひじきの煮込み料理に依ることが大なのであるということを思っている。其れくらいに体調管理にとっては必須のメニューなのである。月に数回は調理する我が家の日常食の定番メニューの一つだ。古くからの日本の食材「ひじき」だが、実はこれこそ日本が誇る長寿食の中心に置くべき貴重な一品と云うべきなのだ。我が国では国内のほぼ全域で採取されるが、国外では中国および朝鮮半島の一部でしか棲息しない。しかも日常食として浸透しているのは、日本のみだと云ってよい。これらの日本の伝統食の素晴らしさを世界に広めたのが、桜沢如一氏らによる「マクロビオティック」の食養生の思想である。欧州や米国の著名人たちが信仰している「マクロビオティック」という思想は、世界大戦以前に桜沢氏らによって広められた運動が基本となっているものだ。マクロビ思想によると、毎日の献立の中で「豆類、海藻類」を5~10%摂取することとされている。「ひじきと大豆の煮物」のようなメニューを、1割は摂りなさいと云うのが基本である。改めてひじきの健康要素を見てみた。食物繊維、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、ビタミンB群、等々の栄養素が豊富であり、これにしか含まれないものも少なくない。栄養過多と云われる現代人の多くが、ひじきに含まれる必須栄養素の何かが不足しているのだろうという疑いは拭えないのだ。

冬の味覚の「アンキモ」を早々と味わう

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アンコウという魚は冬季にその美味さを発揮するものであり、キモを調理したアンキモもまた、冬を感じさせるメニューである。そんなアンコウのキモことアンキモを早々にも味わったのだった。冬の深海に生息し、この時期の味わいが絶品の鮟鱇(アンコウ)。今年も冬の間に「アンコウ鍋」など食したいと考えている。そんななか、アンコウの肝こと「(鮟肝)アンキモ」を食する機会に接し、なかなか絶品的味わいだった。食した「あんきも」はといえば、そのあんきもの良さを丁寧にていねいにと心を尽くして手づくりした逸品なのでした。多少脂っこいのがあんきもであるが、こんなに丁寧に調理されてあると、とてもすんなりと咽越しよく味わえるのです。これをつくるのには、蒸して干してを繰り返して数日かかるのだとか。鮟鱇をさばいたことのある人なら強烈にその、大きな肝が目に付くのですが、その肝こそ美味なる味の宝庫なのです。「あんこう鍋」にもこのあんきもが必須の素材となります。

「貝の三点盛り」の味わいにうっとり

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この時季に旬の「貝の三点盛り」を味わったのだ。この時季に旬である貝と云ったら、ホッキ貝、帆立貝、そして味には煩い人向けのトリ貝などが主流であり、どれも美味いのだが三種の貝の刺身のメニューにご対面と相成ったのであった。

ことにホッキ貝の刺身の美味さといえばこのうえなくて、他の貝のごときには及ぶことならずとの趣きであり、云わば絶品の味わいを幸運にも味わっていたということなのである。これくらいのぎょうこうは他にないのである。

土鍋仕様の「おこげ」は美味しいご飯の条件

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おいらは土鍋でご飯や炊き込みご飯を炊くことが多いが、おこげがうまく炊けたときにはラッキーだと思う。電気炊飯器ではなかなかお焦げができないことがかつて気になっていたことから、自然と土鍋で炊くご飯にはお焦げを期待するのだ。

嚼み応えのあるカリカリとした食感や香ばしさが魅力であり、美味い炊き込みご飯の条件の一つとして挙げたいくらいなのだ。

前橋「風のまち音楽祭」で高田渡の「バーボン・ストリート・ブルース」を聴いた

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上州前橋に帰省しているとき丁度「風のまち音楽祭」に出会していた。10月4、5日に渡って開催されていた「風のまち音楽祭」というイベントで、偶然にも「バーボン・ストリート・ブルース」を演奏するグループの姿に接して、意外な出逢いに歓んでいたのであった。

演奏していたのは「ザ・ソラオショー」というグループ。主に高崎市内を拠点としているグループのようである。北関東で唯一のウクレレジャクバンドだということである。ストリートでの演奏が得意で、聴いている人をワクワク楽しくさせる音楽が目標だと、公式チラシには記されていた。

「バーボン・ストリート・ブルース」という曲はおいらがもっとも敬愛するミュージシャンの高田渡先生の名曲であり、この名曲を彼らなりにアレンジしながら前橋の市民を楽しませていた。これは前橋出身のおいらにとってはとてつもなく感動的なビジョンとしての一齣であったのだった。

「街並みと音楽との調和・共生」を目指して、中心市街地で開催する市民参加型の音楽祭です。ーーというのが、公式サイトにおける同音楽祭についての説明である。前橋の市街地(現実的には旧市街地)の商店街における様々なスポットを会場にして、この「風のまち音楽祭」は開催されていた。主催者、関係者の熱い思いはそこかしこに示されていておいらの胸にもググッと伝わっていたのである。

■風のまち音楽祭
http://kazemachimusic.blog84.fc2.com/

東小金井「太平楽」の焼き餃子

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近頃何かと餃子づいているおいらだが、久しぶりに東小金井で途中下車して食べた「太平楽」の餃子には、正統的な手作り餃子の味わいを堪能することとになっていた。キャベツ等の野菜がたっぷりの大振り餃子は、皮はもちもちしていながら柔らかく、すっと喉に入っていく。流石に手作り餃子をウリにするだけあって、ここの餃子の味はほっとする旨さがある。

■太平楽
東京都小金井市東町4丁目43-13
定休日:月曜

秋田の恵みの「じゅんさい鍋」で一献

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秋田県を旅している中で「じゅんさい鍋」という思いがけない逸品に出くわしていたのだった。訪れたその居酒屋では夏にも鍋料理を提供しているということで、中でも秋田の名産のじゅんさいをふんだんに利用しており、これぞ秋田の鍋と云うべき逸品であったのだ。

じゅんさいという食材は秋田という土地柄と不分別にあり、すなわち秋田で採られていてこそのじゅんさいなのである。白神山地から湧き出て流れ着く清流によって育てられるのがじゅんさいである。ぬるっとしたゼリー状の食感は、白神山地の恵みの存在を抜きにして存在し得ないものとなっている。

秋田の代表的な鍋と云えば「きりたんぽ鍋」だが、「じゅんさい鍋」の味付けの基本は、このきりたんぽ鍋を踏襲している。醤油ベースの甘辛いスープには、秋田の伝統料理のレジェンドを感じていた。泥臭いくらいにぐっとのどを潤す味付けだった。夜の酒が進んだことは云うまでもないのだ。

盛岡「白龍(パイロン)」で元祖「じゃじゃ麺」を食した

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度の途中で盛岡で途中下車し、じゃじゃ麺の元祖の店「白龍」に立ち寄った。店舗の在るのは盛岡城跡公園に接した場所で、桜山神社参道と呼ばれる一帯にある。この一帯が市の再開発だとかで取り壊しされる計画も在ると以前に聞き及んだりしたことから、かねてよりとても行きたい店の一つとなっていたのだ。盛岡では何度か郷土食の「じゃじゃ麺」を食してきたが、元祖店としての「白龍(ぱいろん)」にはこれまで訪れたことが無かったのである。

盛岡郷土食の「じゃじゃ麺」とは、うどんのような麺を時間をかけて柔らかく茹であげ、その上に特製秘伝の胡麻味噌が乗っている。さらには刻まれたきゅうりとネギとおろし生姜と紅生姜がトッピングされているのだが、同店の「じゃじゃ麺」を食するには幾つかの掟がある。。先ずはこれらをかき混ぜることから食事の工程が開始される。よーく混ぜて食べてくださいというアナウンスが店舗関係者からされているので、充分にかき混ぜてみる。そして口に運んだ麺の味はと云えば、濃い味噌の味とともに黒胡麻の風味も豊富である。一寸関東人のおいらにしては濃い味の塩気が襲ったが、ガツンとしたインパクトはナイスな好印象を抱かせていた。掟の最後には、食べ終わった皿に生卵を割ってよーくかき混ぜてそれにじゃじゃ麺の具と茹で汁とでスープを作って啜る、というものだ。掟にしたがって作って食べてみたが、想像通り、云わば特別な発見など無いままにスープを啜っていたのである。

とにもかくにも元祖の「じゃじゃ麺」を体験したことで、これから我が家でもこのインパクトある盛岡の郷土食を作ることができるかもしれない。そんな貴重な味覚体験であった。

■白龍
岩手県盛岡市内丸5-15

鰺ヶ沢で「ヒラメの漬け丼」等日本海の幸にありついたのだ

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日本海に沿って走るJR五能線に乗り、青森県の港町・鯵ケ沢を訪れた。駅近くでレンタサイクルを借りて走った。港町ならではの湿った潮風に吹かれながら通りを行くと、数分で海岸沿いの幹線通りに突き当たっていた。地元界隈では「焼きイカ通り」等とも称される道であり、イカの天日干しが並ぶことがあるという。残念ながらそんなイカ干しの風景に遭遇することはなかったが、様々なイカ漁の痕跡に接することが出来たのだった。

イカや他の海産物と並んで鯵ケ沢の名産品がヒラメである。ヒラメは都内で食べると相当な値段を覚悟しなくてはならない白身魚の高級魚であり、それが大量に収穫されることから、此の地ではヒラメは「漬け」にして食されるのが一般的なのだという。ヒラメを漬けて丼にしたのが「ヒラメの漬け丼」。此の地の名産的メニューとして認知されている。おいらが食した「ヒラメの漬け丼」は、塩辛さ控えめの甘辛の漬け汁にじっくり漬けられた逸品で、高級魚のヒラメを思いの外に味わうことが出来たのであった。

白神山地「十二湖」地帯「青池」「沸壺の池」の妙景

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久しぶりのぶらり旅に出た。目指していたのは青森と秋田に跨る白神山地の其の入口の、十二湖と呼ばれる湖沼地帯であり、中でも「青池」と呼ばれる憧れの池がターゲットなのだった。

JR五能線の各駅停車に乗り「十二湖」駅で降り、そこからバスに揺られて数十分で「キョロロ」という物産店前のバスの終点地に辿り着いた。そこから車を拒絶する遊歩道を歩いて数分の処に目的の青池は存在していた。旅の途中で一時俄雨に見舞われたことがあり天候が気掛かりだったが、青池に到着して目にしたときのその風景は適度の曇り掛かった中での遭遇だったが、余計なものがない分、ストレートに青沼の発する表情と向かい合うことが出来た。初の対面で出遭った青池は近付くなり、其の湖面を目に焼き付かせてしまったのだった。確かに云われているような濃青色の色面に覆われていて、こんな色の出処を先ずは探っていた。何か仕掛けがないのか? という云わば懐疑的なる思考に脳内を占拠されていたということであるが、そんな懐疑心を断ち切る現実との遭遇に厚い期待感を抱いていたということのほうが重要なのである。

バスの終点地を降りてから青池までは500メートル程度で徒歩数分のの距離である。此処までを終点と決めて帰路に付く観光客は多いが、其処からの散策コースが実は同地帯の本当の見せ場となっていたのだった。

青池からさらに奥に歩を進めてブナの原生林を歩いて行く。ブナの巨大な樹々に囲まれてマイナスイオンが醸し出す空気感が絶品である。空気に色があるとすれば此れこそは青色と云うべきであろう。ブナという樹木は秋には黄色紅色の紅葉色を身につけるというが、残念ながら季節はまだそんな秋の旬には一寸早かったようではある。「沸壺の池」の指標を目にしたのはそんなことなどを考えていた頃のことだ。散策に数十分を要していた頃に出逢ったのが、「沸壺の池」であった。池に辿り着く前から滝の水が流れるかの如くの音に引き寄せられていた。滝の音としてはとてもピュアに感じる音色である。実は辿り着いて判然としたのだが、此の音は滝の音などではなくして、白神山地から沸き上がる伏流水が流れ出て集まってきていた湧き水の音だった。此れを聞いた時はそのとても衝撃なインパクトに感動し、何故だか心が湧き水で洗われたような気分だったのである。

ところで「青池」と「沸壺の池」の湖面の水の色が何故ブルーなのか? といった疑問については、過去には様々な調査探求が行われたというが、その実態については不明であるとのこと。素人ながら考えるに、通常は周囲の緑の樹木の色を反映して緑色となるべきところを、何かの要因で濃青になってしまったということ。つまりは緑色からある色素即ち黄色が削ぎ落とされたから濃青となったのだ、という仮説が成り立つ。おいらはこの仮説を信じているが、仮説が真説に格上げされるといった見込みについては、今のところは無いのである。

寂れた前橋の「呑龍ストリート」で「タイカレー」を喰らう

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県都の前橋は実際問題として寂れている。全国の多くの商店街がそうであるように前橋の旧市街地の商店街はシャッターを閉め切った店舗が数多く並び、人通りも疎らとなっている。旧市街地の中央通りと弁天通りは、近頃ではTV番組や映画やCM撮影の場所として認知されている。此のストリートにて撮影されたCMは、今やメジャー級の売れ行きを呈しているのである。

■「妖怪ウォッチ2 元祖/本家」2でる篇
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http://xn--gckg6eh5851cc0b24skq7g.net/post-1602

■ALSOK フィーバー編
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それはそうとして、今は寂れつつある前橋の旧市街地呑龍ストリートにて「ヤギカフェ」という新興の喫茶店を訪れたところ、此れがとても新しいコンセプトと料理とビジョンとその他諸々の要素を抱きつつオープンしていたのでとても面白かったのである。旧市街地の横町ながらだが、フレッシュな息吹を感じさせてくれる。これからも帰省した時には立ち寄りたいという名店を発見したということなである。

「アーツ前橋」で「磯部湯活用プロジェクト」に遭遇

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久しぶりに訪れた「アーツ前橋」では「磯部湯活用プロジェクト」という展示イベントが開催されていた。2013年10月から2014年1月にかけて、アーティストの伊藤存と幸田千依が前橋市内の廃業した銭湯「旧磯部湯」で公開制作と作品展示を行ったのだが、其の時の作品群の再展示とともに新たな作品が公開されたものである。丁度本日が最終日だということでラッキーな遭遇となっていた。

作家幸田千依さんの作品群には、およそ2ヶ月間にわたって銭湯を借り切って制作されたという作品の中には10メートル以上の大作も含まれていた。プール、湖池、等々の水にかかわる風景や、樹木から漏れ出る日射光、等々のイメージやらがキャンバスに描かれ、都会でありながら自然豊かな前橋のイメージのあれこれを徴象しているかのようであり、独特のイメージに惹かれるものがあった。

■磯部湯活用プロジェクト
http://www.artsmaebashi.jp/?p=3811

■アーツ前橋
〒371-0022
群馬県前橋市千代田町5-1-16
TEL 027-230-1144

「サンマとシラス丼」で秋味満喫

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秋の味覚の代表魚はなんといってもサンマ。今年も例年並みに脂の乗ったサンマが豊漁のようであり、昼からサンマの丼にありつくことになった。丼一面を覆い尽くすサンマの刺身に加えて大きめのシラスが丼の中央に盛られた「サンマとシラス丼」である。酢飯にちょいと添えられた生姜のみの味付けで、他には醤油など何も要らない。シンプルに味わえるだけ贅沢感がある。初秋のサンマは、秋深くなってからのサンマよりも脂の乗りが良いのだと云う。カツオと違って北から南下のルートを旅するサンマは、旅をするにつれてその身の脂身を減らしていくのだという。南下の旅が相当にハードな運動量を必要としているらしく、まさにダイエットの旅だという。

中華のピータンは紹興酒によく似合う

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中華料理店で一献やるときに先ずチェックするのは、ピータン料理である。中華のつまみでピータン料理は一番かもしれないくらいに偏愛している。あまりこのところ、夜の中華料理店へ行くことがなかったのだが、先日は久しぶりに旨いピータン料理にありつくこととなっていた。ピータンが食べたくなったおいらはまたまた地元の中国料理店の扉を開けて、「ピータン豆腐」をオーダーしたのでありました。豆腐とたまねぎの刻みがピータンに合わさって、癖の強いピータンの味わいがマイルドに中和されていた。ピータンという中国料理は、本来はアヒルの卵を用いてつくられるものだが、最近では鶏卵が原料となるものが少なくないのだとか。そもそものピータンのレシピはといえば、1ヶ月あまり、塩、石灰、木灰、その他の混じった甕に卵を入れて密封される。白身は独特の茶色のゼリー状となり、この食感がたまらないのだ。元黄身の部分もまた、卵の成分を自らの作品に表徴とさせるがの如くに独特な味わいを提供している。このような不可思議な食材はあまり目にしたことが無い。

柴崎友香さんの意欲作「春の庭」を読む

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今年後半の第151回芥川賞受賞作品である「春の庭」を読んだ。作者は純文学界の実力派として評価される柴崎友香さんである。

物語の骨格は、世田谷のある古いアパート「ビューパレス サエキIII」に引っ越してきた太郎と、同じアパートの住人達、とそして接する水色の洋館にまつわる人々が登場人物である。水色の洋館にはかつての住人による写真集の舞台となっている痕跡があり、そんな写真集に描写されたシーンの数々とともに物語が流れていく。これらの描写における表現法が、作家・柴崎友香さんの持ち味であることが、読み進めるに連れて理解されていく。描写方法がかなり独特であり、柴崎流とも称すべきものなのだ。芥川賞選者の一人である高樹のぶ子氏が、「ノスタルジックな磁場」という表現で評価していたが、場所における磁場と其れを取り巻く人間存在がテーマとなっている、意欲作だと云ってよい。

読み進めるに当たっては数々の読書の壁に付き合わされていた。ある種の三人称の記述が所謂教科書的では無かったこと、突拍子もない派生的かつ偏執的なストーリーが盛り込まれていること、さらには、終盤の意外な展開等々が、読みずらい思いを強くしていたが、それを踏まえてもこの小説世界のビジョンには特異な個性を感じ取っていた。さらなる作家のこれからに期待したいのである。