夏野菜の代表は、トマトかナスか? どちらも夏には欠かせない清涼感あふれる優劣付け難い食材なのだが、ことにトマトの赤味といえば、抗酸化作用を持つ健康成分のリコピンの赤味そのものである。赤く熟したトマトを食べれば、夏季の疲れなど吹っ飛ばせるくらいに期待感いっぱいの食材なのだ。
トマト料理は多々あるが、最近注目しているメニューが「トマトグラタン」である。其の料理は、トマトを細かくカットし、少量のトマトエキスを掛けてトロけるチーズを乗せてオーブンで焼いていくという、とてもシンプルな調理法であり、トマトの酸味、旨味、等々ともにたっぷりと味わうことが出来るのだ。上に載せたとろけるチーズはあまり生のトマトにしっとりするとは云い難くて水っぽい。以前はそんなことが気に掛かっていたおいらだが、近頃は其れもあわせてこの「トマトグラタン」ならではの一品メニューなのだと思い直していたのである。オーブンによって優しい熱を加えることにより生味のトマトの酸味が際立っていて、トマトという其の旨味を主張している。なんどでも食べたくなる夏の逸品メニューである。