地元の居酒屋では此の季節になると「塩らっきょう」のメニューが目につく。夏バテを防止する栄養素が充溢しているのだろうと思いつつ、そんな塩らっきょうを注文。ビリリとした味わいが刺激的であり、いつもの甘酢味のらっきょうとは確かに違う味わいだった。家で漬け込むらっきょうはだいたいは甘酢漬けと決まっているが、近頃では塩で漬け込んだ「塩らっょう」というメニューに接することが多い。甘酢漬けに比べて、よりらっきょうの野趣溢れる味覚が特長だ。若摘みにされたエシャレットに食感が似ており、酒のつまみには良く似合っている。また薬効も多くあり、殺菌効果、利尿、発汗、整腸作用があり、昔から薬用植物として広く利用されている。
食べたらっきょうは「塩らっきょう」ということであり、普段の甘酢漬けとは異なっていて、素材のピリリとした食感、食格を感じることができたのだった。呑兵衛にとってはらっきょうは毎日の乾きを満たす食材なのかも知れないのかと考えていた。毎日の食材が特別なものである必要などはなく、塩で漬け込まれたという此の店の味わいがピッタリするのだということも思うことができたのだった。