受け継がれるべき高田渡さんの語り

高田渡のトリビュートアルバム「石」を聴いている。シンガーソングライター・こうもとあいさんがカバーする「私は私よ」のコケティッシュな高音の歌声が心地よく響いてくる。とてもこまっしゃくれた歌詞なのだが、高田渡さんの稀有な世界観、女性観を覗き聴かせてくれてジーンとくるのだ。かつて何処かのライブ会場で、渡さんが低音を響かせたこの曲を聴いていたはずなのに、どんなうたい方をしていたのか想い出せない。けれどとても懐かしく響くのである。こういう現象をデジャヴとでも呼ぶのだろうか。

高田渡の後継者を自任するなぎらけんいちは、例えば「生活の柄」を歌わせたら自分の方が上手いのだが、どうしても渡さんには敵わないということを語っている。渡さんの持ち味は「語り」の持ち味に凝縮されている。渡さんの「語り」はそれくらい人を魅了する力を持っているのだ。

研ぎ澄まされた音楽世界に身を置きつつ、全国を放浪行脚して大勢の高田信者を増やしていた彼はまさに、放浪詩人に値するだろう。TV界や芸能産業などから自ら距離をとりつつ、全国各地でのライブ廻りを続けていた渡さんだが、各会場で接した人々のみが受け取ることができた何かが、渡さんの語りの中にはぎゅうぎゅうと詰まっていたのである。彼の語りはユニークであるが、とても親しみやすいものでもあり、皆が真似をしたがる。けれども実際、真似することはとても難しいことを実感するのだ。

本日これから放映されるNHK教育の「知る楽」のテーマは「反骨人生 時代に背を向けて」となっている。「反骨」という看板を掲げて勧誘活動やらサークル活動、友達ごっこをする風潮はたえて消え去ることはないが、渡さんが全国を廻って伝えていた反骨の姿こそ、そんな風潮とは真逆のものであり、もっとも尊いものと思うものなり。渡さんの歌を歌い、彼について語るときごとに、益々それを実感するのである。

受け継がれるべき高田渡さんの語り」への8件のフィードバック

  1. 小学生の頃、私は小学館ホームイングリッシュに通っていて英語劇“泳げたいやき君”に出てくる、たいやき君の前半生を演じたことがあります。

    後で知ったことですが
    シモンまさと「泳げたいやき君」が
    A面、
    B面って なぎら健一の曲じゃないかな

    ジュリーとショーケンが1971年
    PYGを結成したときは
    ジュリーがメイン
    ショーケンがサブだったみたいです

    なぎら健一は
    ザ・テンプターズ(ザ・てんぷくず)
    「おかあさん」をカバーしてますが
    この曲のメインボーカルは
    ヨッチン松崎由治で
    コーラスとハーモニカが萩原健一です。

    しもんまさとって
    ザ・タイガースのライバル
    ザ・ライオンズの作詞家デビューです

  2. 高田トリビュート「石
    」1、ひまわり / キオクノオト
    2、 夜の灯/ ふちがみとふなと
    3、私は私よ /こうもとあい
    4、ものもらい/ パスカルズ(私の苦手なバンド)
    5、私の青空/ FARIDA’S CAFE
    6、石 / イノトモ
    7、いつになったら / ははの気まぐれ
    8、丘を越えて / anonymass
    9、当世平和節/ 無頼庵
    10、正午/ ハシケン
    11、Penny Lane / Rose-Unlimited

    私はフォークの影響薄くて
    GSのほうがいいんですが
    ザ・テンプターズ
    ショーケンともうひとり
    松崎由治の癖のあるボーカル
    ってけっこうはまるので
    みなさんも聞いてください。
    ショーケンと松崎って声がすごく似てるけど、松崎のほうが癖がある。
    松崎の歌はショーケンと早川義夫の
    中間です。早川義夫は松崎以上に
    癖が強過ぎて私は苦手です。

    早川義夫はテンプターズ「忘れ得ぬ君」
    をカバーしてます。

  3. 最初の予定では高田渡さんの「朝日楼」が歌われることになっていた。 … 14. いとうたかお/ギター、ハーモニカ「夜風のブルース」(ラングストン・ヒューズ 訳・木島始/高田渡) … 16. 柄本明/歌、ギター「スキンシップ・ブルース」(高田渡/山本シン) …

    もうひとつのトリビュート盤
    朝日楼ってビートルズや
    ピンクフロイドも歌っていた曲

    ぼくたち世代だと高田って言えば
    高田繁「江夏より明らかに山口高志のほうが速い」

    柄本明って志村けん派の俳優じゃないかな。志村けんは大橋照子の深夜放送録音したり若い笑いを研究してたみたい。

    渡よりも渡瀬恒彦「はぐれ雲」を
    思い出した

  4. 赤手袋≒柴田勲
    青手袋≒高田
    黄手袋≒末次

    柴田勲作詞「多摩川ブルース」
    って知ってますか。。
    伊東ゆかりの愛人でもあった

    柄本明/歌、ギター「スキンシップ・ブルース」
    マッチ「スニーカーブルース」

  5. 【VA】
    高田渡トリビュート
    (CDアルバム)

    SEAL030
    ¥3000
    (1)長屋の路地に(斉藤哲夫)(2)コーヒー・ブルース(村上律)(3)ヘイ・ヘイ・ブルース(大庭珍太)(4)すかんほ(なぎら健壱)(5)スキンシップ・ブルース(柄本明)(6)系図(中川五郎)(7)ブラブラ節(シバ)(8)私は私よ(アーリータイムスストリングスバンド)(9)ボロホロ(中川イサト)(10)酒が飲みたい夜は(佐久間順平)(11)風(いとうたかお)(12)ブラザ一軒(佐藤GWAN博)(13)祭~フィエスタ(山崎ハコ)(14)夕暮れ(大塚まさじ)(15)調査節(高田渡)

    青江美奈もブルース。。

  6. 私の兄は15歳上で、家族みんなで
    “ビートルズき★がい”ってことで軽蔑してたのだが、冷静に兄が買ったレコードを覗いてみるとビートルズ以外のものもけっこうある。ディランの愛人だったバエズのEP、ジェイムズ・ブラウン、ボウイのアイドルだったヲーカーブラザーズ、ピンキラの後身ニューキラーズ、寺内たけし、カルメンマキ、橋幸夫、舟木一夫、ワイルドワンズ、加山雄三、ムーディブルース、ベンチャーズ、なんていうかどうしても子供の頃の“ビートルズは不良”のイメージがあったので暗殺事件まで徹底的に敬遠していた。

    中学に入った頃は
    さだまさしのソロ転向、中島みゆき、
    いろいろあったのですが
    なんといってもキャンディーズと
    ピンクレディーが凄かった!
    当時はシングル中心でFMでエアチェック
    するのがメインで、わざわざレコードを買ったりすることはなかったです。
    あえて買うとしたら当時は王選手の
    世界新記録が空前のブームだったので
    野球関係のレコードは結構買いました。
    すぎやまこういち作曲のヤクルト応援歌が一番良かった。ピンクレディー「サウスポー」もヒットした。

    フォークの影響といったら
    よしだたくろう「やさしい悪魔」
    ぐらいかな。
    フォークが終わってニューミュージックの時代。

    自由国民社のランラジオ、
    と別冊のヒット曲の楽譜なんてありました。同出版社の新譜ジャーナルって
    もともとはフォーク楽譜雑誌だったかも。
    だけどクラプトンの写真が神みたいに
    掲載されてたので洋楽とニューミュージックが混じっていた。

    本当のリアルタイムだと
    ベイシティローラーズなんですが
    CBCラジオ(中部日本放送)
    の深夜番組
    ステージ101小原初美がDJで
    「ベイシティローラーズ物語」
    なんて番組がありました。

    たしか当時
    ライオンフォークビレッジ
    ってラジオ番組があったような
    気がしますが
    かまやつひろしがDJだったか。。。

  7. 高田渡ジュニア君はYMOの影響が強いけど、かなりダさい話だな。
    私はYMO(芋)の影響を受けてない
    からダさくないミュージシャンです。

    ただYmoでテクノポリスとライディーン
    どっちが好きかって質問されたら

    テクノポリス(トキオ 東京のドイツ語読み)って答えます。
    technopolis トキオ!
    YMOが初めて
    夜のヒットスタジオに出演したときの

  8. 1989年頃
    小学館のゲーム雑誌の校正をして
    いらっしゃった工藤さんってかたが
    高田渡やカントリー&ウエスタンの
    信者でした。

    いまでもその雑誌あるのかな・・

    たしか池袋の星泉舎って
    校正プロダクションのスタッフでした

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