上州に帰省した帰りの八高線で寄居にて途中下車した。駅前の「金太郎」にて辛味タレ付きの焼きとんを味わうためである。そもそもながら豚のもつを串焼きにして提供される焼きとんは埼玉県東松山界隈では「焼き鳥」と呼ばれている。そんな埼玉東松山風の焼きとんは、この寄居が発祥だという説があり、特にこの居酒屋「金太郎」の焼きとんの味は特筆すべきものが在るのだ。
豚の「カシラ」「タン」等々の部所に軽く塩をまぶして丹念に炭火で焼いていく。炭火で時間をかけて程よく焼いていくことで芳ばしい香りが立ち上っていき、注文を待つ客には否が応でも食欲を刺激されていくこと必至といった成り行きである。カウンターに出された豚モツの「焼鳥」を眺めれば、もう口腔内はの涎たらたら寸前的状態。ぐっと喉を引き締めて、豚モツの焼鳥を食らったのであった。
「焼鳥」こと焼きとんとともにカウンターに添えて出されていたのが、特性味噌だれである。赤唐辛子がたっぷりの辛味味噌であり、焼鳥に乗せればピリリとしてひき締まった味わいに変貌するのだ。鮮度の良くぷりぷりと噛みごたえも麗しいモツの串焼きと、ピリリと刺激度満点の個性的「焼鳥」のルーツは、寄居町にあるということのようである。
■金太郎 寄居駅前店
住所 埼玉県大里郡寄居町寄居1227