行く冬を惜しみつつ「上海火鍋」で温まる

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高円寺で途中下車して「大将3号店」へと足を運んだ。冬季限定の「上海火鍋」にありつくことが目的だった。思えばもう1年以上の間、火鍋を口にしていなかった。冬に火鍋は必須のメニューであるはずだが、このところずっと食べていない。春が近い昨今になって非常に火鍋が食べたくなっていたのである。

冬の鍋の中でも「火鍋」はやはり、身体をほかほかに温めてくれる最も有力なメニューではある。唐辛子をはじめとする香辛料をふんだんに使用した鍋料理であるからして温まらないはずはないのだ。具になる材料は韮、白菜、モヤシ、春雨、葱、等々の野菜中心の出汁が出たスープに、豚肉や牛肉、ラム肉をしゃぶしゃぶするようにして食する。中華料 理の基本スープは鶏がら出汁だが、ナツメ、花椒、桂皮、八角、松の実、クコの実、等々の香辛料がスープの深みを与えていく。別名で「薬膳火鍋」とも呼ばれる 所以である。

ある時期のおいらは火鍋に嵌っていたことがあり、都内の火鍋専門店やらに足繁く通っていた。辛味が際立っていた専門店の火鍋は、汗をふきふき、口を パクパク、そしてハーハーと大きく呼吸をしながらコップの水を口に含みつつ、完食を目指していたものではあった。それはそれで愉しい経験ではあったのだ が、火鍋=辛味的刺激体験という構図には、ある時期になって飽きを来たしていており、それ以来はあまり外食で食することは少なくなっていた。今回の「上海火鍋」はベーシックな火鍋のレシピを踏襲しつつ、スープは辛過ぎず、大蒜味が利いていたり、春雨が辛さを中和していたりと、とても優しい味わいに感じられたのである。

■大将 3号店
東京都杉並区高円寺北2-9-6