故郷群馬から帰京する途中で、赤羽にて途中下車して大衆酒場「まるよし」にて一献傾けていた。ホッピーやもつ焼きが主メニューのありふれた酒場ではあるが、今では希少となっている「コの字居酒屋」の名店である。こんな酒場でホッピーを飲むことはありふれていそうで決してそうではなくて、とても有り難い機会の一つと云えるのかもしれない。いつものホッピーを注文しつつありふれたもつ焼きやらっきょうを頬張る機会は、あまり訪れるものではなくなってきているのである。
もつ焼きの他にもモツ類の刺身があるが、食べたかったコブクロ刺しは品切れなのでありお預けとなってしまった。また同店を訪れる理由付けともなり、益々この店が貴重に感じられることとなっていた。
食べたらっきょうは「塩らっきょう」ということであり、何時もの甘酢漬けとは異なっていて、素材のピリリとした食感、食格を感じることができたのだった。東京下町の呑兵衛にとってはらっきょうは毎日の乾きを満たす食材なのかも知れないのかと考えていた。毎日の食材が特別なものである必要などはなく、塩で漬け込まれたという此の店の味わいがピッタリするのだということも思うことができた。
■まるよし
東京都北区赤羽1-2-4
03-3901-8859