上州こと群馬へ帰省中のおいらではあるが、実家の家で、いつもの部屋へと足を踏み入れた途端に、足に何やらきりりと指すような刺激が走った。蚊でもなければ蜂でもない。そんな刺すような痛みは強烈に感じていたが、足の裏に巣くっていたのは、なんとも意外な昆虫こと、クワガタ虫の小さな子供のようではあった。ちょいと足をおいらが踏んづけてしまっていたことで、その子供のクワガタは元気がなかったようなのであった。子供クワガタにとっておいらの足は天敵でもあったであろうことは想像に難くないのである。強烈な暑さが襲っていた一時期は過ぎ去ったようだが、未だ暑い夜の木の葉に、本日遭遇したクワガタ虫の子供を置いて、今生の別れの儀式にも似たことなどを行っていたのである。