そう遠くないその昔の話。九州の宮崎県ではそのまんま東という芸人が知事になって、宮崎県産の「鶏炭火焼」の知名度が格段にアップして、酒に合う逸品のつまみとして評価が定着したものである。そのまんま東というタレント知事はその後、県政を投げ出して「鶏炭火焼」のブームも去ったが、「鶏炭火焼」自体のうまさは今も変わらぬものではある。いかがわしいタレント知事の話はともかく、「鶏炭火焼」は九州宮崎県のローカルフードであったところから全国区の料理、或いは酒の逸品的おつまみとなっている。
その外見上は黒々とした炭の斑点だらけの料理だが、鶏料理としての優れた調理法は特筆される。強にした大量の炭火を用いた炎で短い時間で焼き上げる。がぶりと噛めば異様な外見とは裏腹に、ジューシーな鶏肉の味わいが口腔の奥までに充溢していく。おいらの定番的アルコールことホッピーともよく似合うのである。