おいら流「ナポリタン」の極意についての考察

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我が国巷間では「ナポリタン」が見直されておりブームだという。おいらも近頃は、ナポリタン専門店とやらののれんをくぐって食することもしばしばなのである。

人気の秘密は懐かしさと新しさ――などと、数あるグルメ雑誌誌上では喧伝されてはいるが、おいらは実は、あまりそうした専門店のナポリタンを好きではない。と云うのかあまり好きではなくなってしまっていた。一口食するに、なにしろ油っこくて、とりわけバター味が効きすぎているのであり、バターをふくむ食用油の使い方が望ましくないのである。では自分で作ってみようではないかと思い立ちて、先日はおいら流の「ナポリタン」作りとあいなっていたのであった。

先ずはふつうにスーパーで売られているスパゲティを茹でておき、そして次に、ナポリタンの一般的な具材でもある、玉ねぎ、ハム、ピーマンといった食材を、オリーブ油かサラダ油を使ってフライパンで炒めていく。バターは使う必要がない。というよりも使うこと自体が邪道なのである。

くどくてバタ臭いバター風味はナポリタンにとっては脇役的であり、無くてもよろしい。そして日本的ナポリタンの味の決め手となるのが、ケチャップの味付け。ケチャップこそはナポリタンの味付けを決定づけるものなのだ。

トマトを主原料にして、それに砂糖、食塩、酢、スパイス、等々を加えて、ケチャップという和やかな調味料が作られる。洋食に合う調味料という以外に、和食にも合う。トマトケチャップとしての面目躍如である。事実、おいらは少年の頃には納豆にケチャップをかけて食べるのが好きだった。トマトケチャップの酸味と爽やかさは、それまでの伝統的な調味料にはなかった新鮮さを目覚めさせたのであり、トマトケチャップの扱いについてのを認識を新たにしていたのである。