いつの間にやら気候も変化して夏日が頻繁に訪れている。トマトやナスといった夏野菜も身近に感じられるこのごろなのである。そんな折りであることからか知らぬが、地元の居酒屋にはトマトを使った新メニューが登場していた。その名も「あさりとトマトのタジン鍋」なり。夏も近いこの時期の鍋だからこそのトマトとあさりの鍋なのだ。
タジン鍋料理らしく、三角頭の蓋でじっくりと素材を蒸した料理が提供されていた。鍋の一番下にはキャベツが敷きつめられており、天然の甘味が染みている。その上のトマトの酸味が夏味の風味を添えている。そして味付けはと云えばよくある日本の出汁に塩味のみであり、大変にシンプルな料理なのだった。日本的鍋料理の逸品である。鍋料理はけっして冬に限らないのであり、夏野菜やあさりといったこの旬の食材を使っただけで、充分に味わえる鍋料理が存在するのだ。
訪れた店は飛騨の里 八王子店という。飛騨高山の古民家をイメージしたつくりの店内では、数種類の日本酒をはじめとして美味しい酒とともに、旬の料理が味わえる。たまに訪れては美味しい酒を味わえる店である。
■飛騨の里 八王子店
東京都八王子市東町1-10 グランデハイツB1