岩手県軽米町が舞台の、山田洋次監督映画「息子」の風景に見惚れていた

山田洋次DVDマガジン Vol.8として発売され書店に並んでいた「息子」を購入視聴し、その舞台となった岩手県軽米町の風景に、改めて惹きつけられ、目を釘付けにされ、見惚れていたのだった。

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公開当時の思い出と相俟って懐かしさがこみ上げてくる。映画公開当時のおいらは、主演の和久井映見さんのファンであり、スクリーンに映る映見嬢の演技に見惚れていた記憶があるが、二十数年のときを経て鑑賞した「息子」にはまた違った印象を強く持っていた。

映画撮影の舞台となった軽米町は岩手県の北端に位置している。亡くなった妻の出身地であることから、おいらも何度も訪れていたが、改めて当地の風景の美しさや貴重で稀有なる存在感を感じ取っていたという訳なのである。

山田洋次監督の映画「息子」は、1991年に公開され、同年の第15回日本アカデミー賞や第65回キネマ旬報ベスト・テンなど、数多くの映画賞を受賞するなどして話題を集めた名作である。丁寧に撮影された駒のあれこれの美しさの表現は山田洋次監督の得意とするところであり、同作品でもそんな特長がふんだんに散りばめられており、久しぶりに鑑賞した「息子」の余韻で一杯になってしまった。

軽米町の冬のシーンは豪雪に見舞われていて、それ自体が歩き回ることもままならないという閉ざされた町民の生活を映し出している。そして夏の季節では、緑が目映いくらいに鮮やかな丘が舞台で、父と子とがタバコの葉を収穫しながらの会話シーンが収録されている。何度か訪れていて知っているはずの風景ではあるが、記憶に保存されているものを遥かに超えたインパクトを与えてくれていた。日本の原風景の姿がこの風景のあちこちに散りばめられていることを発見していたのである。