我家が檀家でもある、地元上州の禅宗寺院の住職をされていた和尚さんが、先月亡くなったという手紙が届いて、悲しみにくれている。昨年末に法事でお寺を訪れた際には、元御住職が小脳に関する難病を患っているという話をお聞きしていた。国立の群馬大学医学部病院でも治療できない難病だと言われていたそうであるが、こんなに早く逝かれるとは予想もできなかった。そのときにもっと早く病院にお見舞いをして、これまでの感謝を伝えたかったこと、それが出来なかったことを悔いている。
先祖からの菩提寺である東京都内の某禅寺から上州のそのお寺に引き継いでいただくために訪れたとき以来、とても気さくに接していただき、禅の教えも身近に感じることができていた。「般若心経」を朗読するようになったのも、和尚さんからその経典をいただいてからのことである。はじめは「御住職」と堅苦しく接していたのに、何度かお会いするうちにいつの間にか「和尚さん」と呼んで接することが出来ていたのも、そのお人柄のゆえなのだろう。先月に亡くなった和尚さんは密葬を済ませたとのことであり、来月には本葬にあたいする「津送の儀」が執り行われるとのことが、手紙に記されていた。常人とはまた違う天国への道のりをたどっているということなのかもしれない。あらためて和尚さんのご冥福をお祈りしたい。