かつておいらが住んでいた処の板橋界隈に足を運んだ。20代のころだからもうそうとう過去の出来事になるが、東武東上線の上板橋駅周辺の郊外地区に、おいらが住んでいたアパートがあった。東上線「東武練馬」駅に下車し、そこから「上板橋」方面へと足を歩を進めていたのだった。「東武練馬」駅から「上板橋」方向へと向かう道は、かつての「川越街道」が走っていたのであり、標識には「旧川越街道」と表記されていたのである。
さて、上板橋近くの街並みに入り込んで、おいらはかつて足繁くに通っていた居酒屋を探していた。まずは居住していたアパートを探し出し、そこから周辺半径50メートルの界隈を散策していた。ところが其れらしき店舗を見つけ出すことが出来ないのだ。入り下った路地界隈の道幅は過去と同様にとても狭くて、此処にはこの店、あそこにはあの焼鳥居酒屋があったはずだという場所にも、そのような店舗の陰は見つけることが出来なかった。
「上板橋」駅前周辺に辿り着き、「上板橋南口銀座商店街」を歩くと、とても小さな路地(これが「上板橋南口銀座商店街」だった)の周囲に、まるで初めて訪れた街並みを見たような気分に覆われていた。かつての居住地こと板橋は昔の板橋にあらず、なのであった。