イカの身をイカ墨味で炒めた「イカスミ炒め」は目と口で味わうべし

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イカの身をイカスミ味で炒めた「イカスミ炒め」を食したのだ。イのてカの身を、イカスミ(イカワタとも云う)で味付けして炒めるという、至極シンプルな料理であるが、これが何度食べても逸品の味わいなのに感動するのだ。

イカの身はまずは軟骨や内臓を取り除いて、幅1cm程度の細切りにされている。新鮮なイカならば種類は問わないが、ある程度の量のイカスミが必要なのであるから、ヤリイカがてきしてい
る。ゲソも美味しく味わえるのでなおさらである。

イカ墨の色素成分はメラニンである。さらにはアミノ酸の含有率が高く、健康成分を多く含んでいる。黒いしきそはそれだけみればまがまがしくもあるが、調理に用いられたものを観察していくと、とても深遠なる色彩であることを発見する。そもそもは、イカ墨を原料とした顔料のことを「セピア」と呼ぶのであって、黒い色彩とばかりとは限らないのである。深い褐色の黒味をふくんだ色彩なのであり、その色彩表現力は強力なのである。イカの身をイカ墨味で炒めた「イカスミ炒め」は目と口で味わうべしなのである。