行きつけの居酒屋のマスターが、「今度、オリンパスペンで撮影した写真を見せて下さいよ」というので、A4サイズにプリントしてみました。オリンパスのデジカメ「ペンE-P1」で出された料理を撮影したことから、マスターも関心を寄せているのだ。最新のデジタル機器だけあり、この程度の引き伸ばしでも解像度は充分に対応している。それ以上に嬉しく感じたのが、ピントの良さである。カメラの基本はレンズなりという古典的なセオリーを、ここでまた再確認することになったのだ。
このペンを購入する前に使っていたのが、リコーの「GX100」である。この機種と比較すれば瞭然なのだが、「ペンE-P1」の方は、ピントの山がはっきりつかめるのである。ここが使い始めてからこれまで、ずっと気に入っていた大きな理由である。ちなみにおいらはカメラの「オートフォーカス」を信用していないので、できる限りマニュアルでピントを合わせて撮影している。このマニュアル撮影の勘を取り戻してくれたのも「ペンE-P1」だった。
引き合いに出してしまったリコーの「GX100」にもひと言触れておこう。こちらもリコーの「GR」「GXR」などとともに人気の機種である。とくに「GR」のほうは広角スナップに適したシャープなレンズ描写が売りとなっていて、確かにその描写力はコンパクトデジカメの多機種を圧倒している。「GX100」のほうはそれにズーム機能を持たせたいわば折衷版という捉え方もできよう。だがおいらはここで主張したいのだが、「カメラに振り回される撮影に、何の価値など有りや?」と。「GR」で撮ったとされる写真のほとんどが、確かにシャープで心地よい調べを奏でているのだが、どれもが同様のテイストしか感じさせないのだ。これはおいらにとってはまことに看過しがたい点だったのである。
常時携帯カメラにとって、ズーム機能は必須と思われ。