芥川賞作家、田中慎也氏の文庫版「共喰い」が発行。瀬戸内寂聴さんとの対談が面白い

芥川賞作家、田中慎也氏の受賞作こと「共喰い」の文庫版が、角川書店の集英社文庫より発行された。

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単行版の書籍で同作品を読んでいたおいらは、この文庫版を購入することはしなかった。けれども後書きにて記されていたところの、瀬戸内寂聴さんとの対談頁にはすこぶる興味をそそられており、立ち読みにて読了したのであった。

当対談の実現は、作家の田中慎也氏が瀬戸内さんとの対談を希望して実現したという流れである。

内容の大部分については、「源氏物語」に関するやり取りでしめられている。天皇になれなかった光源氏が色恋沙汰の恋愛に没頭することかできたという、田中氏による独自の分析が開陳され、それに対して瀬戸内さんが軽く受け流しつつ、芥川賞作家の恋愛観なり女性観なりについて、縦横無尽に突っ込んでいるという箇所がすこぶる面白い。