濃厚な果肉が刺激的な「アボカドとマグロのサラダ」

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寿司ネタもそのバリエーションを増しており、むかしは手をつける気も起らなかったものが、今では何の違和感も感じずに口にしている。その最たるものが「アボカド」だろう。何しろ魚介類でもない寿司ネタなど、かつてはあってはならぬものではあった。それが何時の間にか寿司ネタのショーケース中に、ちゃっかり居場所を確保している。日本の寿司文化もしなやかに変異しつつあるということか。

さてそんなアボカドが食べたくなり、近くの大衆寿司店で「アボカドとマグロのサラダ」を注文してみたのだ。大皿に食べきれないくらいのアボカドとマグロのぶつ切りが乗って、マヨネーズ仕立ての辛味ドレッシングで味付けされている。口をつけると、アボカドのまったりと濃厚な味わいに辛味のアクセントが効いて、食欲をそそる刺激的メニューとなっている。ドレッシングをもう少し控え目にしたら、アボカド本来の味を堪能できるが、ドレッシング入りも悪くない。もう一つの主役であるマグロは、アボカドの前では味覚に乏しいくらいだが、却ってアボカドの強烈な個性を緩和させ、彩りを与えるような効果をもたらしている。

果実なのに脂肪分が多く、別名「森のバター」と呼ばれることも納得。脂肪成分のほとんどがDHAなどと同種の不飽和脂肪酸であり、普通に食するにはあまり気にする必要はないだろう。