今年の「B-1グランプリ」で、青森県八戸の「せんべい汁」優勝を祝う

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121021-00000022-mai-soci

例年開催されるB級グルメの祭典「B-1グランプリ」で、今年は青森県八戸市の郷土食「せんべい汁」が見事優勝、グランプリ受賞の栄誉に輝いたという。

八戸にはこれまで何度も足を運び、「せんべい汁」もその度に味わってきたおいらにとっては、とても嬉しい受賞のニュースではあった。

汁ものでありながらそのほとんどが地元産鉄鍋にて調理される鍋料理の一種であり、主に地元八戸産の野菜類、根菜類を数種類合わせて醤油ベースのスープで煮込み、それに地元名物の「南部煎餅」を具に加えて煮込むという代物。

当地ではポピュラーな「南部煎餅」を鍋料理の具にするという、ある種の奇抜なアイデア料理のようだが、結構その料理の伝統は長いものがある。

Wikipediaで「せんべい汁」と検索すると次のような説明文に突き当たる。

―――以下引用
せんべい汁は、江戸時代(幕末)の天保の大飢饉の頃に八戸藩内で生まれたとされる。その後200年余りに渡って現在の南部地方一帯で食べられてきた。

2002年(平成14年)12月1日の東北新幹線八戸駅延伸開業および2003年(平成15年)4月1日から6月30日まで開催される北東北デスティネーションキャンペーンに向けて、八戸商工会議所の観光振興対策検討委員会が2000年(平成12年)3月に「八戸観光開発プラン」をまとめ、同年9月に「八戸観光開発プラン推進特別委員会」を設置。これを母体として翌2001年(平成13年)7月には官民挙げた『新幹線八戸駅開業事業実行委員会』が誕生した。同実行委員会は「食文化創造部会」を設置し、創作郷土料理や八戸らーめんの企画を行う一方、八戸屋台村 みろく横丁を設置するなど、「食文化創造都市・八戸」を目指して多彩な事業を行った。
―――引用終了

郷土食は数多かれども200年と云う長い歴史において育まれてきたものは、そう多くはなく稀有な郷土食の本丸である。

余談であるが、岩手及び青森の南部地方においては、煎餅ではなく小麦粉を伸ばして具にした「ひっつみ」という料理がある。こちらのほうがより素朴に地域の食材を味わえるのであり、こちらのほうがおいら的には好物なのである。本物の郷土食と云うものは「B-1グランプリ」等のおちゃらけた場所では受けないだろうが、静かに根強く息づいているものなのである。