自民の総裁選で出てきた平成の妖怪こと安部晋三で、橋下維新の風が止まった

民主、自民ともに代表選、総裁選というイベントをこなして出てきたのは、平成の妖怪こと安部晋三という政治家的エリートのボンボンであった。改めて記すまでもなくこのボンボンは、かつて我が国最高権力者の位の身に在りながら「お腹が痛い」という某難病に罹患していることを口実にしてその座を投げ出した人物である。

「病気ならば仕方ないだろう」等々の厚意的コメントがマスコミを蹂躙した中にあっても、「たかがお腹の病気ごときで仕事を投げ出すな」「男が最高権力を去るときは死ぬ時だ」「2度と政治の世界に顔を出すな」といった辛辣な評価が渦巻いていたことも確かなのであった。

それでも今回復活の舞台を得たのは、日本国民の国民性が寛大だからだということには決してならない。何やら昭和の妖怪こと岸信介の亡霊が孫の安部晋三に取りついてしまったと見るのがある種の邪推だがそれでも極めて妥当な推量かと思われる。

橋下徹の野望もついにここに来てはてりといった状況をイメージさせる。

本年の政局は橋下徹の大阪維新劇場で幕を上げたが、維新劇場が妖怪を取り込むことなどできずに終わって、出てきた平成の妖怪こと安部晋三に蹂躙される羽目に陥っている。あと数回は風を吹かすことは可能であろうが、橋下的維新の風はここにきて止まりつつある。当人が望むような神風を惹き起こすことが出来なかったことは確かである。