横浜美術館にて開催されている奈良美智氏の「君や僕にとょっと似ている」展は、2001年に開催した国内初の大規模な個展以来、横浜美術館では11年ぶりの個展開催となる。
おいらが初めて奈良氏に注目したのがその展覧会だったのであり、横浜美術館と奈良氏との間にはよほど強い関係性が生じているのであろう。
奈良氏の描く少女像はある意味でポップであり、さらに言を繋げるならば、コミック的シンボルとしてのイメージが強烈について纏わっている。
横浜美術館にてメジャーデビューした当初の奈良作品について、コミック作家的浅薄イメージの思いを強くしていたが、この10数年で、奈良作品は大きくその印象や価値観を変貌させてきたと云えるだろう。
かつて日本的ポップアートの代表として発信された奈良美智作品は大きな変貌を遂げていた。
もはや奈良美智氏の描く作品世界を「ポップ」だという形容で称することはできなくなってしまったという訳である。