中国料理における鍋料理と云えば「火鍋」すなわち激辛のスープ鍋が基本である。先日は久しぶりに本格火鍋を食したことの余韻も相俟って、火鍋を作りたいという気分が満喫していたのであった。
しかしながら火鍋用の調味料を一つ一つ用意するのは大変であるのであり、ここはインスタント的火鍋料理の素として販売されている、丸美屋の「麻辣火鍋の素」を購入して調理したのだった。
中国の代表的辛味調味料である豆板醤を基本に、椎茸等の出汁がアレンジされている。中国山椒こと「花椒」も用意されており、中国版の辛味調味料の基本はこれでまかなえるのだが、「火鍋」の奥深いスープを作るには不十分である。鶏がら主体のスープのコクも無く、ただ辛さばかりが舌を突く。
これには中国鍋のもう一つの基本であるべき「薬膳」スープを構成すべき要素が欠けていたのであった。
自宅にとりあえず有った「クコの実」と「八角」を加えて煮込んだ。本来はこれに加えて「桂皮」「ナツメ」「朝鮮人参」等を用いるべきなのだが、準備がなかったので割愛するしかなかったのである。丸美屋のものに少々味のコクが加わっていたようではある。いわゆる一つの成功パターンではあった。
〆には激辛のスープに極細のそうめんを入れて食した。これは絶品であったことを強くここに記しておきたい。火鍋にはそうめんが良く似合うのである。