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こんな長ったらしい名前の本が、2年ほど前の書店におけるベストセラーなんだと云うことなんである。だからか略して「もしドラ」という名前でヒットしていた。「マネジメント」等と云うビジネス書風情のタイトルに、おいらもあまり気乗りしないながら、先日手にとって、少しずつ読み進めていた。
一時期は我国でも、マネージャーでなければ人にあらずというくらいに「マネージャー」が持て囃されており、マネージャー礼賛はあたかも自己啓発セミナーの洗脳の類いにも似て蔓延していた。些か気色悪いブームではあった。そんなマネージャー礼賛の風潮はピークを過ぎたと思えた頃に、出版されたのがこの本であった。
作者の岩崎夏海氏は「AKB48」のプロデュースを手掛けていており、主人公マネージャーは「AKB48」の高橋みなみをモデルにしたと云う。当代きってのちゃらちゃらアイドルをモデルにし、表紙には癒し系イラストを用い、「マネジメント」のブームの再来を企図したのかもしれないが、結局ブーム再来は果たせなかったが、ほんのヒットには結び付いたのであった。
ところでよくある東京都内の都立高野球部が、ドラッカーの「マネジメント」を読んだら、甲子園出場を果たしたという同書の基本的プロットは、かなりの無理があり、プロット自体が破綻していると云って良い。先ずはそこそこのピッチャーをはいしての高校野球がいくら「マネジメント」を駆使し得たと雖も、予選を勝ち抜くことなど不可能だ。バントをしない、ボール球を振らせるピッチングをしない、等々の戦略が功を奏することは有り得ないのである。所詮はドラッカー本の、二番、三番、四番煎じ的、色物的書籍の一つではある。