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著者の「山崎ナオコーラ」という名はペンネームであるということは、数々の客観的事実としてはっきりしている。そして想像するに「直子」or「尚子」or「奈央子」or「菜穂子」さんという名前の女性が、「コーラ」という語尾を付けて遊んでみたという光景が浮かび上がる。
まあ作家さんの本名についてはどうでも良いのだが、語尾に付けられた「コーラ」はとても詮索力を掻き立てられる。「コーラ依存症」なのか? 或いは「コーラマニア」か、或いは「コーラ好き」「コーラ偏食」「コーラ愛好家」等々のイメージが惹起されるのであり、そんなコーラを象徴的にイメージするのが、アメリカ的毒食なのではある。今はまさにコーラやハンバーガー等と云った、ジャンクフードが花盛りであり、そんなジャンクの申子的メーカーの「マクドナルド」が「食育」等をPRするくらいなのであり、不可解この上ないくらいだ。
そんなナオコーラさんの代表作「人のセックスを笑うな」を読んで、いたく感動したのであった。何故か? と自ら内省的に問えば、その作品世界のテンポのよさとともに、軽々とした世界観でありながら、真摯な人生観とでも云おうか…。20代前半の男と30代後半の女の年の差カップルのやり取りが、まるで俎板の上のセックスのごとくに描写されていくのであり、テンポやセンスが光る描写とともに、達観したごとくの人生観が垣間見られていたのであり、憧れにも近い思いに駆られていた。この作家の色々な作品が読みたいと思ったのであった。
以前には同原作のDVDを鑑賞していたのであり、エロビデオの類いにしか感じなかったが、原作は租の様に剃の様にもっと刺激的で関東的な作品であったのであった。