秋に植えた球根が、いつの間にか芽を出していた。すっかり寒さが浸透して中々冬を通り過ぎることが出来ないようなこんな季節の中でも、根を広げてまっすぐ上を向いていた、そんな球根の芽を見つめると、春の来ない冬は無いということを実感した。
極寒も手伝ってか、未だ枯れきれない落葉の間にすっくりと目を見せていたのを発見したのは、2~3日前だった。近付いてみると、寒さに凍える濃緑色の逞しい力を見て取ることができた。まだまだ春の息吹を見せているとは云い難い。凍えてなお春を求めて成長する姿はこの時期ならではの、或は今年の特別な姿なのかもしれない。
今年はチューリップのほかに、ヒヤシンス、クロッカスなども含めて球根栽培を行なっている。様々な形の、色の蕾が花を広げていくのがとても愉しみなのである。
球根植えのときは地中に穴を開けて2~3cmの土をかぶせてきたはずだが、球根の実が土上に浮かび上がるようにして茎を伸ばせていたものもあった。東京では珍しい豪雪や豪雨により、土壌の混乱が反映されてしまったのかとも考えた。天然で育つほど生命力ある品種ではないだろうから、これからその成長を見守っていく必要もありそうなのだ。