いつもは自転車で通り過ぎる花屋の前でふと目を止めて立ち寄った店頭にあったのが、この「四季なり いちご ファーストラブ」だった。
些か大袈裟に長く受け狙いの商品名であることは明らかである。小振りな鉢の中を眺めれば、イチゴの花とも思える赤き花弁(なのだろうな?)が、喩えてみれば、奈良美智の目線でおいらなどの消費者にコンタクトを取っているらしく思えた。コンタクトと云うのは表現の綾でもあり、実は挑戦的に喧嘩を売られていたのかもしれないくらいの状況であった。本当にいちごの実はなるのか? といった疑問を、徹底して撥ねつけるかのごとくに、その視線は尖っておいらに突き刺さってきていたのだった。