ヤンネ・テラー女史による「人生なんて無意味だ」という作品は、とても厳かにかつスピーディーにストーリーが展開する。
26ある章のそれぞれ全ての章にて、新しい展開に驚かされてきたとでも云おうか。極めて緻密な厳然たるストーリー性が存在しているのだ。
ネタバレになる怖れがあるので詳細は記せないが、同書の結末の印象は、決して晴れ晴れとしたものではなかった。我国の国情を勘案すれば、PTA関係者だかが声を荒げて抗議するたぐいのものであるとも云えるくらいだ。
かと云って誤解なきように記すのだが、同書は哲学的の内容に満ちているわけではなく、あくまでドラマツルギーを基本に据えた物語なのである。
これはとっても稀有な、世界的世界観を有する小説作品なのだ。