ふと出くわした東北応援のブースでは、青森県八戸特産の「せんべい」が売られていた。おいらは数種類の中から「イカせんべい」をチョイスし、これを八戸流の「せんべい汁」に使おうと目論んだのだ。そのまま齧っても良い味だが、「せんべい汁」の具材として用いられる用途がポピュラーであり、かつ最もこのせんべいの特徴を示している。
B級グルメの大会では毎回にて入賞を果たすのだが、然しながらこれまでグランプリに輝いたことが無い。常に2番手、3番手で前を狙ってはいるのであるが、これから1番を取れる確証が、有る訳ではない。何かが足りてない。其れがまたこのせんべい汁の特徴であるとも云えよう。
「せんべい汁」を2、3番から1番に押し上げるには、ある種の食材のインパクトや、或はコンセプトのワープ的展開が必要であると考えていた。そうした中で「イカせんべい」は、1番狙いの所謂一つのアイテムになるかと考えたのである。
イカせんべいは、恐らく八戸界隈で取れた大量のイカを原料にして小麦粉と共にせんべい焼きにされた代物である。イカのエキスが大量に含まれている。だが然しながらおいらが不満なのは、イカ墨の活用が不充分であると云うことなり。イカの身と共にイカの墨こそは、イカを味わい尽くす上での必須のアイテムである。イカ墨パスタはイタリアンながら日本のイカ料理の達し得ないものを表しているのであり、日本のイカ料理はイタリアンを駆逐するべき使命を背負っていると云うべきである。
些か横道に逸れたが、イカせんべいを使って作った「せんべい汁」の味わいは、予想通りのイカ味が、数種類の野菜にも染みていて、満足の出来栄えではあった。これから「イカ墨」を「せんべい汁」に活用することによって、更にインパクトのある「イカ墨せんべい汁」メニューが完成するのだろうと睨んでいるところなのである。