帰宅途中の街並みには露店屋台が並んでいた。本日は二の酉の日に当たり、祭り好きの八王子も祭り一色となるのだ。
たこ焼き屋はやはりこうした屋台の代表格であり、久しぶりに注文して持ち帰ることにした。閉店間際だったのだろう、1袋(6個入り500円)を注文したらおまけでもう一袋付いてきた。あまり愛想の良くないお兄ちゃんが妙に照れて「おまけですよ」と云っていた口ぶりが妙に印象的だった。
家に着いて未だほかほかと温かいたこ焼きを口にした。箸で中を突付くと、ウズラの卵が真ん中にでんと居座っていた。そして肝心のタコといえば、妙に小さく切身にされてチョコチョコと顔を出していたが、その存在感は薄かった。口当たりは良いがタコの味もあまり口の中で広がらなかった。たこ焼きにとって主役であるべきタコと云う具材が脇役へと追いやられていた。おいらはこのときタコの悲哀を感じ取っていたのである。
一袋(6個)を平らげて箸を置いた。明日の朝食に取っておこうと思った。朝食で食べるたこ焼きの味わいは如何なるものであろうかと、少々と興味を持ったのだった。