鍋料理の中でもポピュラーな部類のものが「湯豆腐鍋」なり。豆腐と葱、白菜、茸類、等々の野菜と、そして鱈の切身が入って、昆布出汁にてシンプルに火に掛けてつくる料理だ。だが近頃はと云えば、東京で食する「湯豆腐鍋」に、鱈の切身が無いものが蔓延していて些かがっかりなのだ。
大体からして湯豆腐の味の決め手は、豆腐と鱈との絶妙の相性にある。それが近畿地方だかでは「湯豆腐」は豆腐と昆布出汁のみ等といった、一地域善がりの風習がまかり通っており、そんな一地域善がりが関東の食文化にまで蔓延しているのは由々しき事態だ。
おいらの地元で提供されている「湯豆腐鍋」は鱈身がでんと乗っていて、正しいレシピを踏襲しており、美味である。これから冬の時期に向かってはこの湯豆腐鍋は定番的に注文するメニューとなっていくだろう。