「だし奴」にみる美味い「冷奴」の条件

昨晩は「だし奴」に触れながらもその詳細について書き記すことをしなかったのは、睡魔に襲われていたからと云うのが主原因だが、然しながらそればかりではなかった。冷奴の中の筆頭メニューとも云うべきだし奴というものが、はてな通常の冷奴こと比べてどうなのか? そうした思いを整理する必要が在ると感じていたからでもある。

「だし奴」の「だし」というのは、山形県の郷土料理として名高いものであり、胡瓜、茄子、葱などの夏野菜を醤油ベースのタレに漬け込んだものだ。それを冷やして保存食とする。御飯に掛けて食べるのが定番だが、豆腐に掛ければ「だし奴」となる訳である。葱+生姜+鰹節といった通常の冷奴の具材に比べて夏野菜が主要具材であることから、夏のほてった身体を冷ます効能が発生する。鰹節を使わないで天然の野菜から生じる「だし」が隠された味わいの決め手なのだ。野菜出汁が主役なのだから美味くないはずが無かったのである。