関東は未だ梅雨が過ぎていないようだが、体感季節は既に真夏である。とくに今年は電力不足から来る節電イヤーなのであり、この季節の体感気温は否が応でも高まってしまうのだ。
いつもより早く訪れてきた夏バテの季節、それに伴う食欲不振を乗り切るには、いつもより早い食生活の改善が必須である。おいらはおのずからいつもより早目に、「冷汁」の準備を行っていた。
冷汁の基本食材は、胡瓜と茗荷、そして充分に味わい深い味噌があれば事足りるもの。特別な料理ではないが、基本素材の味噌を吟味することは大切である。これに加えて、葱、各種茸類、豆腐、大場、その他の夏野菜等を切り刻んで、冷やした味噌汁仕立てにすればよい。出汁は味噌汁よりも少なめで充分だ。これから週に2~3回はこの冷汁を食することになるだろうからと、基本食材セットを冷蔵庫の一角に確保しておく準備をしたのだ。
九州宮崎県の郷土料理だと持てはやされていた時期もあったが、なんてことは無い、夏野菜中心の具材を材料にしてつくられた、冷製味噌汁という、とてもシンプルで伝統的な料理なのだ。おいらが群馬の田舎で生活していた頃にもこんな料理は日常茶飯で提供されていた。暑い九州限定の「冷汁」ではなく、全国的に夏の定番メニューとして「冷汁」の意味合いは大きいのである。
氷で冷やして御飯に掛けてお茶漬けのようにしてすするのが、我家では一般的であり、素麺や冷麦の漬け汁としてもとても重宝する。夏の基本的定番料理の代表なのだ。