学術名では「姥貝(ウバガイ)」と呼ぶ「北寄貝(ホッキガイ)」は、冬の貝だとばかり考えていたが、殊に、北海道苫小牧産としてメニューに載っていた北寄貝の刺身は、今のこの季節においても味は上々だ。
通常、寿司ねたとして見かける北寄貝は、赤と白とのツートン色が特徴的だが、刺身の北寄貝はと云えば、もっとデリケートな色合いに感動させられる。奥深い褐色系の色合いが何とも見事だ。
外見は8cm程はある大降りの二枚貝を剥いて、余計な包丁も入れずに出された刺身は、とても柔らかく、絶品の味わいであった。
通風持ちのおいらにとって、二枚貝は禁じられた食材の一つなのだが、どうしても我慢できなくなり、時々は口にしてしまう。何とも貴重な逸品食材なのである。