地元の銭湯で菖蒲湯に浸かった。昼間の銭湯はほっとして和む時間だが、特に二日酔いで傷んだ身体を癒すにはこのうえなく有り難い時間となっている。長さもゆうに50cm以上もある菖蒲から発せられる凛とした香りは、弛んだ日常に活を入れるような効。能を感じ取るのだ。
菖蒲湯の由来については幾つかの説があるようだが、武家社会で菖蒲と尚武をかけて5月5日を尚武の節日として祝うようになったのが端午の節句の始まりだというのが有力武家社会の仕来たりが背景にあるということなのだろう。
だが武家社会の風習ばかりが菖蒲湯の由来だと考えるのは早計であり、それ以前からの菖蒲湯の持つ効能に着目すべきなのだ。中国では邪気を祓い健康を招く薬草として珍重されており、我が国においても同様の所見があったというのも想像に難くないのだ。
スーパーに立ち寄ると、菖蒲の茎が販売されていた。今日は子供のいる多くの家庭では菖蒲湯を沸かすのだろう。