坦々麺とはたいていのものが黒胡麻を使用しており、その黒胡麻の濃厚な風味が持ち味となっているものだが、本日はそれとは少々異なった「白胡麻担担麺」というメニューを食したのでした。
そんな白胡麻の担担麺とは? 先ず第一印象としてのインパクトは黒胡麻に負けるだろう。黒胡麻の舌に纏わり付くような存在感はまるで無くて、白味噌スープのラーメン味に似ていなくもない。強烈な個性がない分、味わいもまたマイルドである。
そもそも坦々麺とは中国の四川省を発祥とする麺類のメニューであり、味付けは、ラー油、塩、花椒、芝麻醤、刻みネギ、等々で辛目に味付けされた料理である。本場の四川省では一般的に汁なしの担担麺が食されている。それが時と地理的行程を経て、現在日本で流行している担担麺の形が出来上がっている。
日本でよく食されている担担麺には必ずといってよいほど胡麻が用いられている。辛味スープに胡麻の香りが合わさって、さらに濃厚な担担麺が完成するのだ。その胡麻の主流をなすのが黒胡麻なのだが、白胡麻であっても一向に差支えなどは無いのだ。
店のマネージャーに訊ねたところ、黒胡麻担担麺と白胡麻担担麺とではレシピがかなり異なっているのだそうだ。黒胡麻の場合は醤油を使用するのに対して白胡麻はそれを用いずに、塩味で調理するのだという。それを聞いたあとで、やはり塩からかったなぁということを感じ取った。見た目の白さを強調するがために、塩味がちょいときつかったようなのである。
黒胡麻と白胡麻とどちらかを取れと云われれば、黒胡麻のほうを選ぶのであろうが、食感もマイルドでするっとしたスープの喉越しも良い白胡麻の担担麺も、たまには味わうべきメニューリストに加えておきたいのである。