「買占めは控えて欲しい」という枝野コメントのピント外れ

枝野官房長官が「買占めは控えて欲しい」云々のコメントを出していたが、とてもピント外れの印象だ。反自民の思いで支持をしてきた民主党の現政権ではあるが、事柄の軽重を量れないかのごとき官房長官の発言は、致命的なものであると云わざるを得ない。

確かにここ数日間のコンビニにおける商品数の低下、就中、おにぎり、カップラーメン、即席麺、等々が姿を消したことが、一部パニックの原因となり得ることは推察できる。だが「買占め」などというような大きな事象ではない。

本日は久しぶりにいつものスーパーを訪れた(というより入ることが出来た)のだが、大勢の利用者が殺到していたことを除けば、商品棚それぞれの光景は、即席麺やおにぎり等の商品が無かったこと以外に、普段とそれ程に異なるものではなかった。野菜類、肉類、魚介類等の陳列棚には一定の商品が並んでいた。

地震の翌日から都内のコンビニからは、おにぎり、カップラーメンの類は消えていた。馴染のコンビニ店長、店員の人たちからは、「被災地への食糧支援にまわされている為におにぎり類は入ってこない」という説明を聞いていた。とても合理的な説明であった。

これに対して官房長官の「買占め」云々発言は、果たして本音よりのものであったのか? もしそうならば現状認識において極めて稚拙である。さらに述べるならば、そこに些かなりとも政治的思惑などが入り込んでいたとするならば、事は重大である。

日本の国民が、おにぎりやカップ麺を買い求めたとして、大した問題ではない。市場では禿鷹ファンドによる「円」の買占め、或いは国内株式市場に対する荒らしの所業がまかり通っている。これらに対する強い警告を何故行なわないのか? こちらの問題を見過ごすならば、現政権の存在理由など無いと云うべきである。