美味そうな里芋がスーパーに並んでいたので、早速、里芋の煮物をつくってみたのです。使用した調味料は酒、味醂、砂糖に、今回は味噌を加えて味噌味にしてみたのでした。
泥を取って丁寧に皮を剥いた里芋を、まずは沸騰するまで強火で煮込み、調味料を加え、それから弱中火で15分ほどグツグツ。常温で冷ましてから口に運ぶと、しっとりぬるぬるとしたぬめりとホクホクの食感がなんとも云えない。土の風味が伝わってくるような、大地の香りを感じさせるような野生の味わいだ。
ときどきものの本のレシピには、ぬめりを落として調理するようなことが書かれてあるが、このぬめりこそ里芋煮にとっては必須の条件であり、気にする必要も無いのだ。ぬめりの正体は、ムチン、ガラクタンといった有用成分であり、免疫力強化にも役立つものだ。そんな素材の特徴を削ぐ調理法こそ邪道である。素材の持ち味を充分に活かすことこそ料理の基本なのである。
秋が深まり寒さを感じる時期になると食べたくなる。イカやタコ等とあわせて煮込んでも美味しく、雑煮や味噌汁の具としても欠かせない。これから里芋料理の機会が増えていくだろう。