FUNKEY MONKEY BABYSのDJケミカルの位相はとてもユニークだ

昨日に続いてFUNKEY MONKEY BABYSの話題。時折しも昨日から「八王子祭り」が開催中であり、彼らがつくった「ぼくらの八王子」なる歌が、地元の少年少女たちに披露されている。今や彼らは松任谷由実、北島三郎に続く八王子の有名人の座を射止めたと云っても良い。町中挙げてのファンモンブームには些か驚かされるが、何しろ嫌味がない彼らを悪く非難しようとする地元民は見ることも出来ない。いずれ地元のヒーローとして「観光大使」以上の座を確保することになるのだろう。

ところでそんな「FUNKEY MONKEY BABYS」のメンバー「DJケミカル」はとてもユニークである。その役割、立場、あるいは吉本隆明さん流に云えばその「位相」こそは、大変にユニークであり天晴れなのだ。

まず目に付くのが、「DJケミカル」というニックネームに反してDJをしないということ。決してDJが出来ないわけではなくしないのだという。結構DJの腕前は確かなのだが夢中になると顔が怖くなるのでさせないようにしているなどと、まことしやかな噂まで流れているくらいなのである。

メンバーの後ろに居て彼が行なっていることといえば、変てこりんで下手糞な踊りである。風貌も猿とガキンチョを足して割ったようなものがある。だが決して居ても居なくても同じというものではない。下手糞な振る舞いをすることが観衆を引きつけ、視線を彼らに向かわせてしまう。他のメンバー(ファンキー加藤、モン吉)というのはいかにも普通で、しかも好青年で、ケチの付けようがないようなキャラクターであり、対照的な「変な」「キモい」キャラクターとの相乗効果を生んでいる。