泡盛古酒に似合う肴メニュー 大根を使った三種

「瑞泉」という泡盛古酒を飲んでいる。泡盛を深く寝かせて熟成させたもので、とてもまろやかで繊細な味わいでありながら、米こうじを原料とする泡盛独特の素材の香りが香ってくる。「ベルギー優秀味覚賞」を受賞したとある。国際的にも認められた日本の酒である。こんな上等なお酒によく調和し、しかも負けない味の主張をする、酒の肴を紹介してみましょう。

■大根ちゃんぷる
沖縄のちゃんぷる料理の代表格は「ゴーヤちゃんぷる」だが、ゴーヤの苦味はどうしても古酒のまろやかな香りにしっくり来なかった。何か良い素材はないものだろうかと思案していたところでふと閃いたのが「大根」である。旬の大根の葉を活かしたちゃんぷるは、とても瑞々しく、味わい深く調理ができた。豚肉ではなく豚のソーセージを使用したのもポイントの一つだ。

■ぶり大根
大根という野菜は、ぶりなど魚類の旨みを上手に吸ってとても旨みを増す食材である。ぶりも大振りのものを選んでみたが、正解であった。味付けは醤油とみりんで薄味に仕上げるのがよいだろう。旬の魚の旨みを充分に染み込ませたぶり大根こそ、古酒に相応しく美味なり。

■大根のぬかづけ
大根料理のもう一つのおすすめが、大根のぬかづけである。ぬかの香りがぷーんと来るくらいに漬かった大根は、とても甘味が漂ってきてたいへんに美味いものなのである。

泡盛古酒に似合う肴メニュー 大根を使った三種」への2件のフィードバック

  1. 【旬を読む】〈前田塁(+市川真人)〉
    中原昌也著『ニートピア2010』(文芸春秋・2100円)
     中原昌也といえば今や“日本現代文学希望の星”、賛意の旗を揚げれば文学的守旧派の烙印(らくいん)は避けられ、門前払いの蛮勇を奮えば伝統文学の防人を気取れる……芥川賞“悲運の落選”以降いや増すそんな風潮は、作家本人や作品がどこか置き去りな点であの村上春樹にも似て、気づけばいつも誰かがその名を口にしている。世に数多(あまた)ある“読まぬ者にもケナされる”作家の作品は、ちゃんと読んでも評価はさして変わらぬものだが、彼ら“読まぬ者でも褒めたくなる作家”の作品は、精読するとよくわからなくなる。ノーベル賞の毎秋に村上春樹の解説書が出回る理由もそこなのだが、中原昌也も同様に、彼の作品を経験することは、だから、読んで頭を抱えることから始まるのだ。

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