旅行することさえためらわれる、窮屈な毎日が続きます。そんな今時こそ注力しているのが庭や公園の観察なのです。郷土の土地柄には古墳群が多くあり、草木が茂る古墳にもよく出かけています。人間たちとの交流が減り、精霊たちとの新しい交流が増えつつあるようでもあります。霊峰に足を運ばなくても精霊たちは身近に居て、昆虫たちの姿を纏って逢いに来たりします。秋を過ぎようとする今は、蝶、蝉、飛蝗、蜻蛉などはばったり減ってしまって、まことに寂しいかぎりなのですが、霊気や精気はまだまだ満杯の様子です。
F100号という大きめのキャンバス画面に、去り行く昆虫たちへの連帯のメッセージを託しながら、新作の完成に向けて制作を続けているのです。