平塚市美術館にて「画家の詩、詩人の絵」展を鑑賞

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先日は平塚市美術館を訪れ、それまでずっと気にかかっていた「画家の詩、詩人の絵」展を鑑賞した。今月の8日までの企画展覧会であり、すでに同美術館での展示は終了している。なかなか時間がとれずにいて、ぎりぎりセーフの滑り込み的スケジュールの美術鑑賞となっていた。

平塚の美術館を訪れた最大の理由は、宮沢賢治さんの「日輪と山」という名作が展示されているという情報に接したからなのだが、実際の展示物は原作の複製だということで、そんな期待は裏切られてしまっていた。少々気落ちして、会場を巡っていたが、青木繁、萬鉄五郎といった近代洋画の巨匠たちの作品に接することが出来たので、同展へ足を向けた意義は強いものを感じていた。さらに、古賀春江というこれまで未知なる作家の原画に遭遇できたことは望外の悦びでもあった。

ところで同展覧会のテーマである、美術と詩との関係については、美術館関係者たちにとってはあまりポジティブなテーマではない。ことにモダンアートのビジョンからすれば美術は詩の後塵を拝すること無かれという志向性が強くあり、詩と美術との繋がりは排除サレル傾向が一面で強くある。そんなことから同展覧会会場へ赴くことが遅れたのだが、実際に鑑賞してからの今の思いとしては、もっともっとポジティブに捉えるべきテーマであると実感している。

画家と其の彼らが記した詩との詳細については、会場では充分な時間をかけて検証することが出来なかったので、同展の公式図録としての書籍「画家の詩、詩人の絵」を購入し、じっくりと読み入っているところである。また新たな発見などがあれば此処でも開陳していきたいと考えている。