とても懐かしい中華の「五目そば」

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昼時に上州前橋の街なかを散策していると「来々軒支店」に遭遇。「支店」「創業昭和六年」などという看板が目について、歴史ある故郷の中華料理店の名残を感じ取りつつ、自然と店内へと足が向いていた。支店という割には新しい店構えであり、お店の人たちの対応も現代風なのであり、そんなギャップもまた興趣を注いだという訳なのである。

看板のメニューを眺めておいらが注文したのは「五目そば」である。もちろん中華料理店なので「五目中華そば」と記すのが良いのかとも思案したが、元々昭和六年くらいの昔の人々の感覚で云えば、「五目そば」と「五目中華そば」との差異は気にならないくらいの微々たるものであったと推察され、妙に「五目そば」というネーミングに納得だったのでありました。

そしておいらが口にした其の中華の「五目そば」とは、日本蕎麦の其れとはもちろん異なり、叉焼、海苔、インゲン、ナルト、玉子焼き、そしてハム、等々と、五目を超えるかの具材が丁寧に盛られた中華風麺なのである。懐かしさに痺れて麺やスープを啜っていると、故郷で育った頃の情景が目蓋に襲ってくるような錯覚に襲われていたのである。五目が溶け合った滋味豊かな塩味ベースのスープを啜っていたら、とても懐かしい中華の「五目そば」に、心豊かにされていたのだった。とても満足のランチなのであった。

■来々軒支店
群馬県前橋市住吉町2-12-7