先日は久しぶりに栄養価満点の「ほうれん草のベーコン炒め」を食したのだった。とても美味なりである。
其のほうれん草の風貌には皺が深くに刻まれていており、見るからに分厚い雪に押し潰された凍えた畑の風景を容易に想像させている。上に伸びようとしても巨きな圧力に阻まれて伸びることが出来ないで、根を張るように伸びている、それはまるでぐれた少年少女のようにひめたる生命力の存在を感じ取らせるのに充分な姿かたちなのである。
そもそもほうれん草の濃緑の葉はと云えば、いっそう鮮やかさを増し瑞々しい。その生命力に見とれていた。味はすこぶる濃く、そしてすこぶる苦かった。それだけ味わいも恵みも共に、凝縮されているということなのであろう。