酒のつまみでアサリがたっぷりの「アサリのバター蒸し」を食した。思えばアサリ料理も色々であり、バター蒸しから始まって、酒蒸し、味噌汁、リゾット、パスタ、パエリア、チャウダー、炊き込みご飯、ワイン蒸し、等々と、百花繚乱のメニューが可能となっている。然しながらやはりと云うのは、定番メニューは「アサリのバター蒸し」である。これ以上のアサリレシピを、未だに思い浮かぶことはできないのだ。元々は日本をはじめとするアジア圏にて漁されてきた食材なのである。ヨーロッパや他の地域に於いては色々なメニューが誕生しており、其々に愉しませてはくれるのではあるが、未だに「あさりのバター蒸し」ともう一つ「あさりの味噌汁」以上の料理レシピにお目見えしたことがない。詰まりはもともと日本などのアジア圏の食材であるあさり料理は、ヨーロッパ圏では、発展することが無かったということなのであろう。酒浸りの身体にとっては肝臓に優しく、二日酔い予防にもなる。二枚貝の有り難さを感じ取ることこの上ない。数ある魚介類の中で「あさり」は、おいらにとっても、幼少の頃から最も身近な食材であり、つねにことある毎に口にしてきたものではある。それなのに日常的にはあまり存在感を感じることがなかったのは、ある意味では残念なことなのだった。