地元の居酒屋にて「北寄貝(ホッキガイ)」の刺身を食したのだった。二枚貝の中でも北国にて収穫され、かつ冬季には味覚的な旬を迎える貝類の代表が「ホッキ貝(北寄貝)」である。学術名では「姥貝(ウバガイ)」と呼ぶ稀有な貝であるという「北寄貝(ホッキガイ)」。殻は厚く堅いが中の身は赤黒い奥深い身の味わいに魅了される。主に北海道で収穫されるものが東京関東圏内にて流通しており、北国からもたらされた貴重な二枚貝と云うイメージが染み付いている。通常、寿司ねたとして見かける北寄貝は、赤と白とのツートン色が特徴的だが、刺身の北寄貝はと云えば、もっとデリケートな色合いに感動させられる。奥深い褐色系の色合いが何とも見事だ。近頃ではこのホッキ貝はフランス料理の具材としても重宝されているようだが、日本人のおいらとしてはやはり生の刺身として味わうのが一番である。通風持ちのおいらにとって、二枚貝は禁じられた食材の一つなのだが、どうしても我慢できなくなり、時々は口にしてしまう。何とも貴重な逸品食材なのである。