吉祥寺へ用を足した帰りに、久しぶりの「井の頭恩賜公園」を訪れたのだった。此処は都立公園としての特筆する知名度もあり、都民に憩いを提供する公園として人気も高いのであり、途中下車しても訪れたい一帯ではある。だが実際に訪れていた井の頭公園の井の頭池周辺はといえば、枯木と共に凍えた都市の風貌を垣間見せていた。
春には桜を咲かせ、秋には紅葉で賑わう井の頭周辺ではあるが、冬には見世物がないことを露呈してしまっているかのようだ。それかあらぬか公園の風景は田舎染みていた。それが悪いというのではなく、逆であり、吉祥寺という街の持つ田舎臭さに親近感を抱いたということなのである。
井の頭池を隔てた向かいには、赤い旗と塗り壁が印象深い「弁財天」が存在する。池に面していて、池の水面と赤い塗り壁とのコントラストが印象的である。此処もおいらは訪れて、久しぶりにお参りしていた。かつて徳川家康がこの辺りの土地を水源として整備をさせたという。七福神の一つとしての弁財天としてではなくてそれ以上に由緒正しき弁財天なのである。